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浜名湖底洞穴編

凪麻呂から出ているその糸のようなものをサクラは追っていった
その糸のようなものをたどっていくと洞穴の天井へと向かっている なぜ天井なんかに…
サクラはさらにその糸のようなものをたどるとその先にも凪麻呂から湧き出ている邪気と同じような黒い邪気の塊があった

「これだわ!これをなんとかすればきっト」

サクラは金剛印を解いて邪気の塊がある場所を確認する
じっと天井を見ているとそこにいたのはコウモリであった
あのコウモリは確かここへ来る途中で見かけたコウモリ あれが凪さんを狂わせている元凶

「真さんあれを撃ッテ!」

サクラは天井に張り付いているコウモリを指差す 真鉄はサクラが指差す天井に張り付いているコウモリを確認した

「あれを撃ちゃいいんだな よし!」

真鉄が火縄銃を構える と、同時に狙っていたコウモリが羽を大きく開き飛び立とうとしていた
しかしそれを見逃す真鉄ではない

「おれから逃げられると思うなよ!」

真鉄はコウモリに狙いをさだめ火縄銃を撃つ パン!という音と共に放たれた弾丸はコウモリの羽を撃ち抜く
バランスを失ったコウモリは地面へと墜落していった

「せい!」

サクラの話を聞いていた銃は亡者を相手にしていたのだがコウモリが落ちるのを見て剣を鞘におさめる
そしてその剣を一気に抜刀すると衝撃波が落ちたコウモリへと飛んでいく
衝撃波はコウモリを撃ちぬく 衝撃波を受けたコウモリは粉々に砕け散った

「ぐぅおおおおおおおおおおおおお!!」

凪麻呂が苦しみだすと支えを失ったように倒れてしまった

「凪さン!」

倒れた凪麻呂から邪気が出てくる 核となるコウモリが倒れたため邪気は凪麻呂から離れる
空中へと浮いていた邪気がまた人のような影になった

(人間ノ分際デ我ニ楯突クトハナ)

「貴様一体何者だ!」

弾十郎が邪気を小刀を向け叫ぶ 亡者達も凪麻呂から邪気が離れたことにより止まっている
人のような形をした邪気は不敵な笑い声をあげなから答えた

(我ハ、イザナミガ八雷神 土雷)

「イザナミですって!?」

声をあげたのはまおだった まおは困惑した様子でその邪気を見ている
まおはイザナミというものを知っているのだろうか?まおの慌てぶりからみてもかなり深刻な事態が伺える
サクラはイザナミという存在がどのようなものなのかを知らない

「土雷だかなんだかしらねぇが撃ち殺してやる!」

真鉄は火縄銃を邪気へ向けるといきなり引き金を引いた パン!と音がし放たれた弾丸は邪気へと向かう
だがその弾丸は邪気をむなしく貫通するだけであった

(フフフ威勢ガイイナ シカシ貴様ラノ相手ハソノ者ガスル)

凪麻呂が初めにいた場所そこには祭壇があったのだがその近くに土雷と名乗った邪気が移動する
祭壇を見るとそこには女性が立っていた 髪の長い綺麗な女性である
だがその容貌がみるみる変化していった 髪は乱れ黒い邪気がその女性の全身から湧き出ている
そしてその顔には狂気が宿っていた

(ソノ者ハ堕天女 天ニ見離サレタ者ノ末路ヨ 我ト戦イタクバソノ者ヲ倒スコトダナ)

堕天女はそばにいた凪麻呂へと近づいていく 狂気の宿った顔が凪麻呂を眺めている
このままでは凪麻呂が危ない
そう思ったとき凪麻呂のそばに現れた人物がいた 神代ユダである
ユダは凪麻呂を抱えるとまたその場から消える
そして凪麻呂を抱えたユダがサクラ達の元へと現れる

「やるなユダ でかした」

真希はユダを褒めると土雷と名乗った邪気を指差した

「必ず見つけ出して叩き切ってやるからな 覚悟してろ!」

(フフフ 貴様ラデハソノ者ニ…)

真希は小刀を一閃すると風が巻き無数の刃となって邪気に襲いかかった
邪気を真空の刃が切り刻んでいき完全にその場からかき消した 真希が風遁を使ったのだ

「うざい!!」

浄化の力を込めた風遁で邪気はその場から消えうせた
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浜名湖底洞穴編

日輪印を結びそこから凪麻呂を見ていたが見えるものは黒く不快な邪気だけしか見えない
何かあるはず と、サクラはさらに集中し凪麻呂を診ていた

「ネズミが増えたところで同じことよ 貴様らがここで死ぬことには変わりはない」

凪麻呂の口からその言葉が出たのだが凪麻呂本人の意思ではない
凪麻呂に憑り付いている何者かが話してきているのだが それを聞いた真希が突然笑いだす
それを見た凪麻呂が怒りをあらわにする

「何が可笑しい」

「可笑しいったらありゃしない お前みたいに憑りついて影からコソコソしてるような奴にあたし達が殺れるわけがない!」

「なんだと!!」

「いいからネクラはそこで待ってろ!行くぞみんな!」

真希は跳躍し小刀を振りぬくと雷雲がたちこめる その雷雲から稲妻が落ち亡者達を撃ち抜いていく

「イィヤッハァアアアア」

真希は亡者が群れている場所へと着地すると両手に持つ小刀をふるい近くにいるものから切り刻む
その姿はまるで小さな竜巻のようでもあった くるくると回転しながら亡者を斬っているのだが亡者達はその姿を追えてはいなかった
そしてユダ、謙一は足元に煙球を投げその姿をくらます
弾十郎と紅の体が青い光りに包まれる 闘気を使い体を強固に変換させる技、鎧の極みを発動させる

「おらおら!かかって来いよ!」

弾十郎は亡者を挑発する それに反応した数体の亡者が弾十郎へと向ってきた

「おっとそれ以上近づけさせねぇ!」

真鉄の火縄銃が火を噴いた すばやく玉込めをおこなった火縄銃から連続で放たれる
鉄砲の乾いた音が洞穴に響き弾十郎へと向かっていた亡者達の体のあちこちに風穴が空いた

「弾ちゃん無茶すんなよ そして俺にもまわせ撃ち抜いてやっから」

「俺より後ろに行ったのは真ちゃんにまかせるよ まぁ本郷さんと紅がいるから安心だけどな」

それを見た純菜が弾十郎へと活身をほどこそうとしたのだがまだ足元がふらついている
それでも純菜は弾十郎へと術をかけようとしている それを見た葵が

「純菜お待ち 回復してあげるから」

葵は大金剛輪印を結び詠唱をとなえる

「オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ」

薬師には治療の触媒として水が必要であるが僧はその祈り自体に回復の効果がある
なぜ違いが出来ているのかというと薬師は自然の力を利用し 僧は仏の力を利用しているからだ
葵は薬師瑠璃光如来の力を借り純菜を回復させる
純菜に手をかざすと純菜の体が淡い緑の光に包まれる 薬師のそれと違い霧のようなものとは違う
淡い光に包まれた純菜はまるで誰かに抱かれているような感じがした

「ありがとう御座います」

力を取り戻した純菜は急いで弾十郎へと活身の術を使う
みんなそれぞれに戦っている中サクラは焦っていた 凪麻呂から伸びているであろう糸のようなものがどうしても診えてこない
その焦りがサクラの集中力を奪っていた 必ず診えると思っていたものが診えないこれでは凪麻呂を倒す もしくは殺してしまわなくては今の凪麻呂を止めることは出来ない
どうして…なぜ見えないの…サクラの中で焦りが大きくなっていたとき秀人の声が聞こえた

「サクラどのあせってはいけないでござる」

「でも…」

「このぐらいでやられるような人はいないでござるよ 拙者も命をかけてサクラどの達を守りとおす所存にて安心して集中してくだされ!」

秀人は笑顔でそう言った 秀人のその励ましに応えなければ、サクラは大きく深呼吸をした
そして凪麻呂を診る 診る 診る……
あっ!という声を思わずサクラは口にしていた
凪麻呂を覆う黒い邪気から伸びている細い糸のようなものを発見したからだ 

「これだワ!これがあるということは凪さんは中から操られているんじゃなイ 外からなんダ」

浜名湖底洞穴編

「助けるって具体的にはどうするつもりなんだ 何か策でもあるのかまお?」

「……それを今から考えるのよ」

「そんな悠長なことやってる場合じゃないだろ いっそやっちまった方が早いぞ?」

「ダメよそんなことしちゃ 救いを求めてる人には救いの手を ね、葵ちゃんもそう思うでしょ?」

「んーあたしゃどっちでもいいけどね ま、何とかならなきゃちゃんと冥土へ送ってあげるわよ 安心なさい」

「そんな…葵ちゃんまで」

「で、どうするんだまお?」

まおは考える まず凪麻呂にとり付いているものの正体 それがわかれば何とか出来るかもしれない
しかし今の状態では探ることが出来ない 何とかしなくては
そんなまおを見てサクラはおずおずと手を上げる

「あの…もしかしたらなんとかなるかモ」

「ん?サクラちゃん何か手があるの?」

確証はない しかし診てみる価値は十分にあるはずだサクラはまおにうなずいた

「で、どうしたらいい?」

「とにかく診てみないト…でもそれには時間がかかるんでス」

「とにかく時間稼ぎをしろってことだな まおどうするその子に任せてみるのか?」

「そうね今の私では何も出来ないのは確かだしサクラちゃんに任せてみるわ」

まおの言葉に真希は小刀を凪麻呂へ向かって構える

「弾に真!お前達まだやれるな?」

「おう!お頭が来てくれたんなら百人力だ なぁ真ちゃん」

「うむ、これで無理とか言ったら殺されそうだしな」

「フフフ良く分かってるじゃないか 銃に紅もいけるな?」

「うん大丈夫だよいける 紅も大丈夫だよね?」

紅はうなずくと槍を構える 

「よし本郷さんと紅はまお達を護ってくれ 弾、真、ユダ、謙一、禮華、大臣、葵、いくぞ!」

真希の声に応!と応え弾十郎、禮華が先頭で亡者に向かって突入する
葵は薙刀をゆっくりとかつぎトコトコと歩き出す そしてふぅとため息をつく

「やれやれ 人使いの荒いお頭だこと」

「そこがお頭のいいところでしょう 判断が早いですから」

「短気なだけよ」

「うるさいぞ葵 それより頼んだぞえ~っと…」

「サクラちゃんよ」

「ん?サクラっていうのはあんたのことなのか ふむふむ」

葵はジロジロとサクラを眺めていた この子が虎裁が言ってた子で間違いない
なかなか良い目を持った子だと思いながら葵は亡者へと歩いていった

「じゃサクラちゃんとやら頼んだぞ 時間はしっかり稼いでやるからな」

「わかりましタ」

「サクラちゃん頑張ってね 何をするのかはわからないけど凪さんを助けてね」

純菜はそういうとサクラから離れる 足取りがまだおぼつかない純菜に手を差し伸べようとしたサクラだったが
純菜は片手でそれを制し全身に力を込めるとサクラに手をふり弾十郎達の方へ歩いていく
そんな純菜を見て私も今は自分のやれることをしなければいけないと思いパンと手を打つ
そして日輪印を結び凪麻呂に向け気合いを込める

「絶対にあるはズ!かならず見つけないト」

サクラは日輪印をとおして凪麻呂をみていた これで診えなければ凪麻呂を殺してしまうしかなくなるかもしれない
確証はないがなぜかサクラには必ず見えるような気がしていた

浜名湖底洞穴編

禮華はまだ来ないのかなーといった風で通路のほうをみている まだ人が来ていると禮華は言ったが一体誰が来ているのか
サクラも同じように通路をみていると禮華と一緒にやってきた謙一がぶつぶつと何か言っている

「禮華 飛ばしすぎ…」

「文句いわない!持ってきてあげたんだから それにちゃんと取れたじゃない」

「別に頼んでない…」

「何かいった!?」

「………いや…なにも…」

あいかわらずな禮華と謙一だった その禮華は未だに通路のほうを見ている
その時サクラのそばの地面が盛り上がり亡者があらわれた
不意に出てきた亡者に対処できずサクラは純菜をかばうように抱きしめる
やられる…そう感じサクラはギュッと目をつむり純菜を抱く手にも力がこもる しかし痛みはいっこうに来なかった
サクラはそっと目を開け振りかえるとそこにはやはり亡者がいた しかし襲いかかってきた亡者は肩口から腰にかけてばっさりと切られその場にグシャっと崩れ落ちる
その崩れ落ちた亡者の背後に人が立っていた 神代ユダである

(ここにいたのか)

ユダはサクラの姿を確認するとホッとした しかし、とユダは思う
たいしたことのない忍務だと思っていたこの仕事が思いもかけず腕試しの場になったのだ
今までの修行の成果を存分に発揮できる ユダの顔には自然と笑みがこぼれていた

「あ、ありがとう御座いまス 助かりましタ」

これでユダに助けてもらったのは2度目なのだが 1度目をサクラは知らない
この人は誰なんだろう?と思っていると通路の方からゴォオオオ!という音が聞こえた
みると通路から炎が噴出している それはまるで炎の龍があばれているようであった
炎の龍は亡者の群れを飲み込み燃やし尽くしていく 炎の龍が消えたときそこにはあるのは黒こげの亡者の亡骸だけだった

「こんなところがあったとはね~」

倒れた亡者を踏み潰しながらトコトコと子供が歩いてくる その手には体に不釣合いな薙刀を持っている
トコトコと歩いて来たのは杉浦葵であった そして葵の後ろからもう一人歩いてくる人物がいた

「間一髪、いや間半髪といったところですかな?」

葵の後ろから来たのは雪藤洋士である
二人はまるで物見遊山をしているようにゆっくりと歩いてくる

「おぉ~いっぱい居るわね これであの陰陽頭の鼻をへし折ることが出来るわ」

「葵さん不謹慎ですよ」

「なに言ってるのよ それもこれも陰陽寮の人が信用しないからでしょが!」

「まぁ…そうなのですが あの方は少々頑固者でして」

「いいわとりあえず、よりどりみどりみたいだから どれか引っ張って帰れれば」

「そうですな~ いっぱいいますな」

その時 黒こげになった亡骸の中から亡者が飛び出し葵へと刀を振り下ろす
しかし葵に驚きもあせりもなかった

「おそい!」

亡者が刀を振り下ろす前に葵が動く 葵は薙刀を地面に軽くかすらせると薙刀の刃の部分が炎に包まれた
炎を纏った薙刀をそのまま亡者叩きつける 亡者に付けられた刀傷の傷口からは炎が噴出していた
襲ってきた亡者は仰向けに倒れた しかし倒れた亡者にはおかしなところがあるのにサクラは気がつく
亡者に付けられた刀傷は2本あったのだ 葵は確かに亡者を斬ったしかしそれは1度だけサクラにはそう見えていた
しかし付けられている傷は2つ サクラには見えない一撃が繰り出されていたのだ
この二人は一体何者なのだろう?一人は陰陽師それもかなりの使い手だと思う かなりの数の亡者を一瞬にして倒すほどの実力の持ち主
そしてもう一人は僧 サクラよりも年下に見える小さな女の子だ しかもその子はサクラにも見えない一撃を繰り出すほどの使い手だ

「葵 遅いぞ」

「なに言ってるのよ真希ちゃんが早いのよ」

「まぁいい それより奴を倒すぞ」

「奴??」

真希は凪麻呂を指差した 葵は亡者の群れの後ろに控えている凪麻呂を発見しそして少し考えてから

「あれ?あれって陰陽師の人じゃない?ねぇ大臣あなた知ってるでしょ?」

「ん?おぉあれは凪さんじゃないか どうしてこんな所に??」

「なんだ知り合いか?」

「知り合いってほどじゃないけど 岡崎で見たことある人よ」

「ふむ まぁあたしに喧嘩を売ってきたんだから買うまでよ!」

そういうと真希は小刀を両手に構え今にも飛び掛ろうとしていた 

「待ってくださイ!!」

サクラは真希を制止する 今、凪麻呂を刺激するのはまずい今なら見えるかもしれないものが見れなくなるかもしれないからだ まおも真希を止める

「そうなのよ 真希ちゃんちょっと待って」

「凪さんは操られてるみたいなんです だから助けられるかもしれないノ」

浜名湖底洞穴編

一度は止まっていた亡者達だったが凪麻呂の中へと邪気が戻ったことによりジリジリとサクラ達に迫ってくる
弾十郎と秀人が先頭で亡者の群れをくいとめていた かなりの屍の山を築いているのだが圧倒的な数の差に追い詰められていく
(糸?紐??なんにしても何か繋がっていたような…)
サクラは餓鬼を初めて見たときの事を必死に思い出していた だがそれと今の凪麻呂とは同じ状態なのか?
だとしたら凪麻呂の体にはすでに餓鬼が?そうも思ったがそれはないと思う
凪麻呂に初めて会った時にそのような様子はなかった だた違和感はあったが
体の中から操られていないとすると別の何かがあるのかもしれない それはきっとあの時の餓鬼と同じように糸のようなもので繋がっているはず それなら

「もしかしたら凪さんを戻せるかモ」

サクラに自信はなかった 本当に今の凪麻呂が体内から操られていないとは言いがたい
もしも体内から操られているのだとしたら サクラにはどうすることも出来ない その時は本当に凪麻呂を切らなくては止められない
だが何もせずこのまま終わるよりはるかにましである

「サクラちゃん何かわかったの?」

肩をかしている純菜がサクラに聞いた サクラは自信がなさそうにうなずく

「うん、でもこれは凪さんをよく診てみないとわからないのヨ 今の状態じゃ集中も出来ないから無理かモ」

「くそっ 数が多すぎる」

弾十郎達が亡者の攻撃をしのぎながら後退してくる 倒しても倒しても沸いてくる亡者に押されてしまっている
秀人もどうにか活路を見つけようとしてはいるがあまりに多い亡者の数にそれを見つけられないでいた

「こりゃ 無理か…」

真鉄からも諦めの言葉が出てくる ちらっと大袋をみるその中には火縄銃に使う玉と火薬が入っている
かなりの数を用意してきたと思っていたのだが残り少なくなっている
もう少し多く持ってきていれば無茶も出来たのだが今持っている残りの玉数ではそれも出来ない

「諦めたらダメでござる!」

秀人も必死に亡者の攻撃を食い止めている、しかし群れで迫り来る亡者を止めることはできない

「貴様らはここで死ね」

凪麻呂の言葉に反応したように亡者の強さが増した 
弾十郎も秀人も後ろにいる守るべき人達のために必死に抵抗しているのだが押され後退していく
どうにかできないのか!?俺の力はここまでなのか?こんなところで守りたい人達を守ることも出来ず終わるのか?

「こ、ここまでなのか…」

弾十郎までも弱音を吐き真鉄も諦めかけていたそのときである 通路のある方から声が聞こえた

「まだだ!!」

「そう!まだよ!」

通路の方を見るとそこにもまた亡者がひしめいている その亡者を群れを飛び越すように影が飛び出した
その影は天井すれすれの所を軽々と飛びサクラ達の頭上に到達した
そしてくるっと回転したかと思うと亡者へ向きなおり刀を振りぬく すると亡者の群れの上に雷雲が現れ無数の稲妻が迸る
弾十郎の目の前にいた亡者が次々と稲妻に撃たれ倒されていった
そして影は弾十郎の前に降り立つ 影は覆面をつけた女性だった その女性は覆面を取り弾十郎達を一喝した

「弾に真!あたしはそんな風にすぐに諦めるように仕込んだ覚えはないよ!」

弾十郎の前に降り立った影は天星真希だった 真希は腰に手をあて弾十郎と真鉄を見ている
弾十郎はまるで幽霊でも見ているかのような顔になっていた それでも何とか声を出す

「お、お頭??」

「お頭っていうな!!あたしは引退したんだ」

真希は弾十郎の頭をぽかっと叩く 驚いているのは真鉄も同じだった

「な、なんでお頭がここに??」

「だからお頭っていうなって言ってるだろ!お前らは二人そろって耳がついてないのか!」

「いやでもいきなり居なくなって…心配してたんだぞ」

「ふっ…お前達に心配されるとはね まぁいいそれよりなぜここにいるのか聞いてたな それは奴に借りがあるからだ」

真希は凪麻呂をキッと睨みつけ凪麻呂を指差し叫んだ

「戻ってきたぞ!今度は前みたいにいかないからな 覚悟しろこのやろう!」

真希がそう言った時 通路のある方からこちらに向かって何かが突き進んでくる
亡者が切り飛ばされなぎ倒されていく
ひしめいていた亡者の群れの一角が崩れその中心で暴れていた人物が見えた
そこには鎧を着込んだ侍がそこに立っている 両手に太刀を持ちまるで踊るように亡者を切り刻んでいる
その人物にサクラは見覚えがあったそれは刺客に襲われたとき助けてくれた人物、忍野禮華だった
一度は崩れた亡者達だったがなだれ込むように禮華に襲いかかっていった
その瞬間サクラは見た迫り来る亡者に対し禮華がニヤリと笑ったのを
そして禮華が亡者に飲み込まれ見えなくなってしまった その瞬間

「謙ちゃんいくわよ!」

禮華は両手に持っていた太刀の一本を空中へと投げるとその太刀を追いかけるように影が飛びだした
影は空中で太刀を取ると真希と同じように太刀をふるう
太刀を振りぬくとそこに風が集まっていく 風が集まり丸く形をなしたその瞬間太刀を突き入れた
風は竜巻のようになり真空の刃が亡者達を襲い吹き飛ばした 竜巻がサクラ達の元へと向かう道を開く
そこを禮華が走ってくる その横にはもう一人走ってくる人物がいた
この人物もサクラは見たことがあった 禮華に初めてあったとき禮華と一緒にいた人物
サクラの背後を音もなく取った池添謙一だった

「おまたせ」

「禮華ちゃんに謙も来てたのか」

「うん でもまだ来てるよ そろそろなんじゃないかなー」

禮華は通路がある方を見ていた そこにはまだまだ亡者が群れている


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