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突然吹いてきた風におもわず目を閉じてしまった純菜 ドゴン!という何かが吹き飛ぶような音が聞こえてきた
音がした方をみるとそこには宙に舞う亡者の姿が見えた その舞い飛ぶ亡者の下に人が立っている
「紅さん!」
亡者を吹き飛ばした紅が走ってきている その後ろには真希も続いていた
二人の姿を見て無事だったのかと純菜は胸をなでおろす
一体この二人はどこに行っていたのだろう?そう思ったがその疑問は後回しだ
純菜は剣印を結びなおすと念を込める そしてその力を解放する
「はぁーっ!」
純菜の声が響き渡るとその場にいた全員の体が淡い緑の光に包まれ傷ついていた体が癒されていく
いきなり横から現れた真希達に真鉄は驚いていた
「ど、何処から出てくるんだお頭このやろうびっくりしたぞ!」
「この程度でびくつくんじゃないよ それより真鉄、亡者の数があまり減ってないじゃないか 遊んでたのか?」
「遊んでなんかないぞ これでも必死に…」
「まぁいい ん?そっちにいるのは凪麻呂といったか起きたんだな体は大丈夫か?」
「俺の話をちゃんと聞けよーっ!」
「はい、すこぶる良いとはいいかねますが なんとか」
「上等だ、貴様が何をしたかについては後回しだ 現状はわかるな?」
「えぇ一様は この亡者の群れを止めればいいのですね?」
「そうだ、奴らは沸いてくるからな覚悟しておけよ む、これは式神…」
「そうです よくわかりましたね」
「ふん、この程度のことは知っている ふむそうかあんたはこれが召喚できるのか…頼りにはなりそうだな」
真希は辺りを見渡す、相変わらず亡者が群れている やはりあの結界の中にいる堕天女とかいう奴が倒れないとダメか
秀人と禮華は少し離れた場所で亡者を食い止めている 少し疲れた様子ではあるが二人の太刀筋のキレは落ちていない
真鉄はまだ元気だ というかぴんぴんしている 純菜もまだいけるだろう
あとは堕天女がいつ倒されるのかということなのだが これは中にいる奴らにしかわからない
結界の中にいる弾十郎達が上手くやってくれればいいのだが そう思いつつ真希は亡者にむかって構えを取る
「秀人、禮華そのまま止めろよ 貴様らが抜かれたら終わりだと思え!凪麻呂は式神を前に出してくれそいつにも足止めを手伝ってもらう 紅!今度こそ護れよいいな! 真鉄、お前がしっかりしないと秀人と禮華が苦しくなるんだしっかりやれ!」
「おうよ!任せとけ!」
「それから純菜 無理するなよあんただけまだ顔色がわるいからな」
「そうだぜ純菜ちゃん 病み上がりなんだ無理するこたーねぇよ」
了解です と答えた純菜だったがなぜ自分が病みあがりなのかその理由がわからなかった
確かに体が重く感じられる このような症状は純菜自身感じたことがなかった
そして記憶の一部が綺麗に抜けている もしかしたらそれが原因なのかもしれない
しかし今はそのような些細なことに気を止めている暇はない 目の前では亡者の群れがこちらに向けて迫ってきている
この窮地を乗り切らなければ話を聞くこともできない 純菜は肩から提げている大袋の中にある水を確認する
そして亡者の群れの奥にある結界を見る あの中でサクラちゃんも頑張ってるんだから私もしっかりしないと
重い体を振り切るように純菜はゆっくりと剣印を結んだ
「行くぞお前ら!結界の中にいる奴らが勝てばこいつらも止まるはず それまで生き残るぞ!」
それぞれが真希の激に返事をし亡者の群れへ向けて行動を開始する
長く戦わなければいけないのか それともすぐに終わるのかそれすらわからない戦い
しかしその場にいた全員が結界の中にいる7人の勝利を確信していた
「お前はこんなところで何をしている!」
「……心配」
「心配ってあたしをか!はぁ…紅よお前さんには純菜を護れと言っただろう まったくこんな所まできやがって」
「…………」
「えぇい!仕方がない一度戻るぞいいな紅 今度こそ純菜を護るんだわかったか」
紅はうなずくと来た道を戻ろうとした しかしすでに後方は亡者で埋め尽くされている もうここからでは戻れない
二人とも亡者に囲まれてしまっていた 真希一人なら高速移動歩法、速歩を使いこの包囲網からでも脱出できるのだが今は紅がいる
仕方がないと真希は純菜がいる方へと小刀を向ける
「紅、まっすぐ行くぞあいつらがいるところまで一直線にだ!」
二人は同時に走りはじめる 紅が走っていく先の亡者を槍で貫くそしてその貫いた亡者を真希が蹴り飛ばし前方に群がる亡者にぶつける
紅は槍を引くと左右にいる亡者を薙ぎ払う 何の相談もなく二人の息はぴったりあっていた
何体目かの亡者をなぎ倒しさらに前進しようと思ったのだが 先を行く真希が止まっている
どうしたんだろ?と思っていたがその疑問はすぐにわかった 真希の前に立ちふさがるように鎧を着た亡者、蛇使いが3人立っていたのである
「チッ、まだいるとは思っていたがこんなところにいやがったのか」
「……真希さん?」
「紅よ こいつらは他の奴らとは少し違うぞ油断するなよ」
それだけ言うと真希の姿が目の前から消える 真希は速歩を使い蛇使いの前まで移動していた
小刀を蛇使いに叩き込もうとしたのだが隣にいた蛇使いが真希の腕に太刀を振り下ろしてきた
真希は瞬時に手を引き太刀をかわしたのだが今度は斬ろうとしていた蛇使いが太刀を振り下ろしてきた
後方に大きく跳び蛇使いの太刀をかわす 真希は紅がいるところまで戻ってきていた
「くっ!さすがに3体相手はきついか…けどこいつらを抜かなきゃあいつらの場所までとどかない」
「……真希さん」
「紅は一番右のをやれ あたしは残りの2体をなんとかする よし行け!」
紅は槍を構えると右にいる蛇使いへと向かう そして槍を突き出し他の亡者と同じように貫こうとしたのだがその攻撃は太刀によって弾かれてしまった
紅は素早く槍を引き戻すと連続で蛇使いを突きまくる
ことごとく紅の攻撃は弾かれてしまうのだが連続攻撃によってじりじりと亡者を押してはいる
しかし決定打になるものは一つもない このままずるずると押していくわけにもいかない早くこいつを倒して真希さんを助けに行かないと
ならばと紅は槍を突き出す しかしその攻撃も蛇使いの太刀に弾かれてしまう
「背面風車」
紅は弾かれた槍の勢いはそのままに自分の背中へと持っていく
そして槍を背中で持ち替え蛇使いへと突き出した 今までとは違う軌道を描く槍に対処が遅れ槍は蛇使いの胸へと突き刺さる
槍を両手で持ち直すとそれを一気に上へと跳ね上げた みぞおちから真っ二つに斬られ蛇使いはグシャッと崩れ落ちた
動かなくなった蛇使いを確認すると紅は真希が戦っているところへと急いだ