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疾風刃雷

街道を歩く3人 一番先頭をあるいているのは七海だ
この3人の中で堺の場所を知っているのは七海だけだったので媛神と潤はそのあとを歩いていく
七海は気遣っていてくれているのか歩く歩調はゆっくりとしたものだった
媛神と一緒にあるいていた潤が何を思ったのが七海へと駆けていった そして七海とならぶ

「ねぇねぇななみん 媛っちってさどうしてななみんと一緒にいるわけ?」

「媛さんは人を探しに来たんだって言ってたよ それでその人が尾張にいるらしいんだけど場所がわからないみたいだからボクが案内役を買ってでたんだよ」

「へー会いたい人ねー で、その会いたい人って男なの?男なんでしょー?」

「それは聞いてないよ でもとても大切な人みたいだね」

「ふーんななみん聞いてないんだ じゃあたしが聞いてこよっか?ななみんも気になるでしょ?気になるよね?気になるって言え!」

「………まぁ気になるといえば気になるけど バチッて痛い思いするのはもう勘弁してもらいたいかな」

「バチッてなんなのよ まぁいっかまた後で聞けばいいし んでななみんは堺に何か用事があったの?」

「ボクの用事は済ませてきたよ と、いっても役に立たなかったみたいだけどね」

そういいながら七海は右目の眼帯をさわっていた 七海が堺へ来た理由それは堺に封印師がいるという噂を聞いたからだ
今までは名古屋にある陰陽寮、神社、寺をまわりなんとか封印をしてもらっていたのだが少しづつ力が強くなっているためいずれ手に負えなくなると言われた
そんなことを言われどうにかしなければと考えていたとき堺に凄腕の封印師がいるという噂を聞いた
そこで堺にやってきて今付けている眼帯を高い値段で買ったわけだが 実際なんの効果もなかったようだ

「ふーんあんたもなんだか大変なんだねー」

「……はぁ…でも媛さんに作ってもらったこれはすごいですよ 今までずっと頭痛がひどかったんだけど今はぜんぜんそれがないんです 媛さんはすごい人ですよ」

「へ?それって媛っちが作ったの?」

「まぁいちよう堺で買ったものなんだけど どうも効果は薄かったみたで…それを媛さんが改良してくれたんですよ 今はものすごく気分がよくなったから媛さんには感謝ですね」

「そっかーんじゃ堺にはもう行かなくていいんじゃないの?」

「ここから尾張へ帰るにはそれなりに準備がいるから とりあえずいろいろな物がそろってる堺へ行こうって話しになったんですよ」

「そだねー準備は必要だね ちゃんとしてないとあたしみたいに倒れちゃうからさ あははは」

豪快に笑う潤に対し七海はあきれた顔で苦笑していた

「もうすぐ堺ですし 潤さんも目的地に着くのでよかったですね」

「そうだね ななみんも美人を2人も案内できてうれしいだろ?」

「……………えぇ、まぁ」

「…その間はなんだよー媛っちはいいけどあたしは入ってないみたいな間はーあたしに何か問題でもあるのかー?」

潤はそういうと七海の首にぐるっと腕を回しベッドロックの形をとり頭をグリグリしはじめた 首を絞められるのと同時にやわらかい感覚も伝わってくる
潤が思い切り自分の方へ七海を引き寄せているためその大きな胸に顔を埋めてしまっているのだが 潤はおかまいなしにギュウギュウと首を締め付けてくる

「ななみんは媛っちの方がいいのか そっかーそうなのかーあたしなんて眼中にないってことかー?」

「……う…うぅ…そ、そんなことないですよお二人とも美人です ですから」

「ですから?」

「そんなに首を絞めないでください……く、くるしい…」

「そんなこと言って逃げようとしてるなーえい!どうだー」

潤はさらに首を締め上げる 顔色がみるみる変わっていく七海だったが潤からは顔色が見えないためグイグイと首を締め上げていく
ボクはこのまま天国へ逝くのだろうかとそう思ったとき はぁ~っとため息をつく声が聞こえた
いつの間にか少し離れて後ろを歩いていた媛神に追いつかれていた

「なにを遊んでいますの?遊んでないで案内をしてくださいな ほら潤、七海をはなしなさい顔色が変わっていますわよ」

おっとこりゃいけない と、そう言いつつ潤は七海の拘束を解く ゲホゲホと咳をはきながら何とか七海は死の淵から生還できた

「まったく潤はやりすぎですわ 七海が死にかけてるじゃありませんの」

「武芸者ってもんは鍛えてるからこの程度じゃ死なないよ って……ありゃ、ホントに苦しそうだ ななみん鍛え方が足らないんじゃないの?」

それは貴方が綺麗に首を締め上げてきたからです と、七海は言いたかったのだが咳がなかなか止まらずいえなかった
天国なのか地獄なのかわからない状況でボクはどうすればよかったのだろう などと考えているうちに建物の影が見えてきた
七海は前を指差しながら

「ほ、ほら見えてきましたよ あれが堺です」
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