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浜名湖底洞穴編

サクラは純菜と一緒に薬研で薬を作っていたのだが 手持ちの水が少ないことがわかり茶屋まで来ていた
治療には触媒として水が必要なため茶屋へ買出しに来ていた
サクラはまだ薬師としての修行をはじめて間もないので簡単な薬しか作れない なので今回はむずかしい調合の薬は純菜にまかせてある
しかし何もしないのでは申し訳ないので少なくなっていた手持ちの水を買い足しに来たのだ
ただの水ならば純菜の家の井戸から取ればいいのだがそれでは効果が少ないのだという
成分の違いなのかどうなのかその辺りはよくわからないのだが治療用の水は茶屋で買うことになっていた

「おじさ~んあわ雪を2つくださいナ、あと後でお水もくださイ」

「はいはい 少々お待ちを」

サクラは茶屋前の長椅子に座り待つことにした 注文したあわ雪の1こは自分にもう一つは純菜へのおみやげ用である
長椅子に座りサクラは少し考えていた明日は浜名湖へ行くことになっている しかし3人で大丈夫なのかな?
短い付き合いだが弾十郎や真鉄、純菜の強さは知っている 本当の力はまだサクラも見せてもらっていないのだがそれでも十分すぎるほどの使い手達だ
弾十郎は仲間を守るための力 純菜とサクラは癒しの力 これだけでも十分すぎるぐらいだろう
しかしサクラは少し不安になっていた はたして本当に大丈夫なのか?あの真鉄が帰って来れないぐらいの敵がそこにいたとしたら?
もしそんな敵がいたとなると3人でどうにかなるのであろうか? そう考えると不安になってくる
そうこう考えていると隣に誰か立っていた 見上げてみるとそこには鎧を着た人物が立っていた ちょうど茶屋主人に注文をしているところである

「親父どの 団子をもらえるかな?」

サクラはその鎧武者の声をどこかで聞いたことがある 誰だろうと思い茶屋主人の前に立つ鎧武者の人をじっと見つめてみた

(あれ? この人何処かでみたことあル…)

たしかにこの鎧武者の人物を知っているような気がする 私は一体どこでこの鎧武者の人物を見たのか?
サクラは何処で会ったのかを思い出していた そして

「あ~~~っ! 思い出しタ!!」

「な、なんでござるか!?」

サクラが大声で叫んだので鎧武者の人物も吃驚し同じように叫んでいた そう、この人物こそサクラが稲葉山で酔っ払いに絡まれていたとき助けてくれた人物 あのときの侍だということをサクラは思い出した

「あの時は助けて頂いて有り難う御座いましタ」

サクラは立ち上がると深々と頭を下げる だがその侍は何がなんだか分からないといった様子だった

「な、なんのことでござろう? 人違いではござらんか?」

「あれ?忘れちゃいましたカ? ほら稲葉山で酔っ払いに絡まれた時 助けてもらった者でス」

「あぁ あの時の、いやいや礼など必要ないでござるよ」

「あの私、御堂サクラと申しまス あの時は本当に助かりましタ ありがとう御座いましタ」

「これはこれはご丁寧に拙者は本郷秀人 見てのとおり剣客でござる ところで浮かない顔をしてたみたいでござるがいかがなされた?…」

「あら…そんな顔してたんダ私…いえいえなんでもないんですヨ こちらの事ですので気にしないでくださイ」

「拙者でよければ話を聞きますぞ?愚痴でも何でも、話をするだけで少しはすっきりするものでござる ささ、遠慮など無用 まぁ話を聞くだけならタダでござるからな~ はっはっはっは」

そういって秀人は豪快に笑っていた サクラは苦笑いを浮べながら考えていた 目の前にいる侍、秀人の実力はかなりのものだと思う 立ち振る舞いから見てかなりの実力者なのはわかるのだが…
話をしてもいいのかどうか迷っていた 見ず知らずの人にこんな話をしていいものかどうか

「むむ?迷っていますな まぁ会ったばっかりの拙者に話をしずらいのはわかのでござるが…さっきも言ったとおり話をするだけでも気が晴れるものでござるよ 遠慮は無用でござる」

真剣な目を向けてくる秀人を見て押され気味になるサクラ 少し考えサクラは秀人に話を聞いてもらうことにした
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