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疾風刃雷

少年は夢を見ていた…
それは幼い頃の出来事…
少年は黒く大きな影に追われていた…

「た、たすけて」

少年は必死にその影から逃げていた しかし少年と影との距離は離れるどころか近づいている
それでも少年は必死に走った 走る 走る 走る…… 
今、自分がどこにいるかもわからない 周りにはなにもない
そこにいるのは少年と影…
少年は走る 何処まで行けばこの影から逃げ切れるのかさえわからない
少年は走る なぜこの影から逃げなければいけないのかすらわからない
少年は走る 息が切れようが 足がもつれようがそれでも走り続ける
少年は背後からくるその影の気配を感じていた はっきりと見てはいない いや見ることは出来ない
しかし影は確実に近づいてきている
このままでは捕まる 一体どうすればいいのか?そう思ったとき背中にゾッとする感覚が奔る
手が伸びてきている 少年は振り向いてはいないがはっきりとわかる
確実に少年に迫る影の手 それが少年の肩を掴む瞬間
カッと目を見開き少年は目を覚ました そこには空が見えていた まだ日が昇ってない空 しかし少し明るい空
やわらかな優しい空が広がっていた
夢か……荒い息を吐いている自分がいることに気がつき 少年は心を落ち着かせる
ここは何処だっけ?確か剣の稽古を海岸沿いでしていたはずなのに 途中まではおぼえているのだがその後のことがまったく記憶にない それにしてもと少年は思う

「今の夢はなんだったんだろう?あんな目にあった覚えはないのに」

怖い…本当に怖い夢だった そう思いながらゴロンと横を向くとやわらかな感触が手に触れた
なんだろう?と思う前に少年はギョッとした 横になった先に少女が眠っていたからだ
な、なんでこんなところに女の子が!?少年の体が硬直する
ゆっくりとした風に吹かれ少女の短めの髪がサラサラとゆれている すぅすぅと寝息をたてる少女を少年は硬直した体で眺めていた
どうしてボクは女の子の横で寝てるのか?そもそもどうしてこんな状況になってるんだ?それになんだかやわらかい感触が
少年はさらにギョッとした 少年の手は横で気持ちよさそうに寝ている少女、媛神の胸をつかんでいたのだ
早く手をはなさなければいけない そう思いながらも少年はその手をはなせないでいた
初めてさわる女性の胸 その小さな少女に似合わない少し大きな胸のやわらかい感触に少年はドキドキしていた
どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしたらいい!?少年はパニックにおちいっていた そしてその時、媛神がん、んーと声を出したのを聞いてびっくりしたのと同時に指がぴくっと動く 動いた指は媛神の胸をふにっとさわってしまった

「………ぁ…ん……すぅ…すぅ…」

媛神からもれた声を聞き少年のドキドキは最高潮に達していた ふにふにっと指を動かす少年

「んにゃ……ふぁ…ぁん……ん…すぅ…すぅ…」

初めてさわる胸 そして媛神からもれ聞こえる甘い声に誘われるように少年はまた指を動かそうとしたその時

「……ん」

媛神はその動作に目がさめたらしく いきなりまぶたを開いたそして少年と目があう

「………………っ!」

「あ、起きましたのね おはようございます」

「……おは…よう…」

「体の方はいかがかしら?眼帯に新しい封印の紋様を作ったのですけど」

「……う…うん 大丈夫だよ?」

「それはよかったですわ」

媛神はそう言った後 自分の胸にある違和感を確認するため視線をそちらに向ける
違和感の正体に気がついた数秒後 媛神の前髪からバチッバチッと火花が飛び散った 驚いた少年が飛び退くように媛神からはなれる
その後を追うようにゆらりと媛神が立ち上がった その顔は真っ赤に染まり表情は鬼のように怖かった

「人が…寝ている間に…ど こ を 触っていたのかしら?」

「そ それはその……そう事故だよ事故」

「……へぇ…事故ですの?そうなのですか……へぇ…」

少年は今すぐこの場から逃げ去りたいのだが 媛神から放たれる強い殺気にあてられ金縛りにあったように動けないでいた
媛神の前髪からバチッバチッと飛び散る火花がさらに恐怖を煽っている

「そうですの、事故なんですの……お姉さまにもまだ触ってもらってませんのに…それをあなたは事故だとおっしゃりますのね」

「………は……い………」

ぷちっという何かが切れる音を少年は確かに聞いた 媛神の前髪のバチバチという音がさらに激しくなっていった

「事故だなんていい訳が通用するとおもってらしゃいますの!?わたくしをはずかしめた罪 死をもってあがなってもらいますわ この変態!」

バチバチという音が大きくなると媛神の全身が光に包まれドン!という音がし稲妻が奔った
ギャーという少年の断末魔のような声があたりに響きわる

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疾風刃雷

手にした眼帯の紋様を媛神はじっとみていた この紋様では少し役不足な感じがする
少年が放っていた狂気を完全に止めるためにはこの紋様では不完全だ ある程度の力なら封じ込めることも可能だが 強い力となるとこれでは無理だ

「手抜き…?ってこともないでしょうけど これではダメですわね」

ふぅとため息をつくと媛神は眼帯に細工をほどこすことにした 菩薩の錫杖に巻きつけてあった糸をほどくとそれに念を込めはじめる
その念を込めた糸を眼帯へと縫い付けていく 今ある紋様を強化するために
これは時間がかかるなと思い横に寝ている少年を見てみる
少年の右目に貼り付けた符を見てみるとまだちゃんと封印しているみたいだ
しっかりとした封印ではないので効果はそれほどではない この効果が切れる前に眼帯の紋様を完成させなくてはならない
少し急がないといけないと思いながら媛神は念糸を縫い付けていった

「それにしても気持ちよさそうに寝てますわね…」

小さい体のため媛神より年下なのかと思っていたがどうやら違っていた 媛神と同い年ぐらいだろうと思う
それにしてもと媛神は思う なぜこの少年の右目に鬼の目が宿っているのか?
どんな理由があるにせよ 鬼の目が宿るほどの事態だ よほどのことがない限りこのような事態になりはしない

「まぁ わたくしには関係ありませんわね」

しかしかかわってしまった以上ほおっておくわけにもいかない せめてこの眼帯の封印効果だけでも上げておかなければ そう思い眼帯へと念糸を縫い付けて入った

ほどなくして念糸の縫いつけが終わる どうやら符の効果がなくなる前に出来上がったみたいだった
出来上がった眼帯を付けなおすと素早く符を抜き取る どうやら眼帯の封印強化は上手くいったようだ

「これで当分は大丈夫ですわね それにしても肩がこりましたわ」

あまり使ったことのない念糸という力を使い その疲労と睡魔が媛神を襲ってきた
この少年が目を覚ますまで起きておかなければならないと思っていたのだが 睡魔には勝てない
ぽてっと少年の横に倒れるとそのまま媛神は眠ってしまった

疾風刃雷

少年の叫び声はまるで獣のようでもあった 夜の闇を引き裂くような叫びがあたりに響く
危ないと思いつつも媛神はその少年に近づいていく 少年は声をあげつつも構えをといてはいないし動いてもいない
近づくにつれ少年がよく見えてきた 動いていないと思っていた少年だったが全身を震わせていた
何かに耐えているようでもある そしてもう一つ気がついた 全身から湧き出てると思われていた狂気
その狂気が一点から出ているのである それは少年の右目、眼帯を付けている部分からである

「あの右目…一体なんですの?あそこから狂気が湧き出てますわね」

全身を震わせていた少年の様子が変わってきた 振るえが大きくなり全身をガクガクと振るわせはじめたのだ
狂気を押さえ込めていないそんな感じが伝わってくる このままではきっと
そう思った瞬間、媛神は走り出した少年へと向かって

「そこの人!その力止めなさい そのままやってますとあなた壊れますわよ!?」

少年はびくっとした人がこんな場所にいるとは思っていなかったようだ 媛神はさらに近寄っていくしかし少年は狂気の放出を止めようとはしなかった

「だから止めなさいと言っているのです!聞こえませんの!?」

ガクガクと震える少年の額は汗で濡れていた 必死に押さえ込もうとしているのだが自分ではどうにも出来ないといった感じだった
少年は必死な形相で力を押さえ込もうとしているのだが抑えきれていない それどころか狂気はさらに強くなっていく
暴走 その言葉がぴったり当てはまるような状況だった 抑えきれるのかしら?そう思ったとき少年がまたしても叫んだ

「オォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

その時 少年の右目につけられていた眼帯が弾け飛んだ 眼帯の下にあった右目があらわになる 真っ赤に染まった右目それは人間の物ではなかった
媛神はその目を見たことがある あれは石鎚山で修行をしていたときだ ある日師匠が式を見せてやるといい式神を召喚したのだ
召喚されたものは鬼 その鬼の真っ赤に染まった目 鬼の目とこの少年の右目がそっくりだった
少年が狂気に取り込まれていくのがわかる このままではこの少年が危ない そう思った瞬間の媛神の行動は早かった
懐に入れていた呪符を取り出すとそれを少年の顔 精確には右目へと向かって投げる
呪符が少年の右目 真っ赤に染まった目の上に張り付いた瞬間、媛神は剣印を結び 結!と叫んだ バシュという音がし右目に封印を施す
封印を施すと少年の動きが止まった なんとかなったかな?そう思ったとき少年がまえのめりに倒れてしまった

「ちょ、ちょっと大丈夫ですの?」

まえのめりに倒れてしまった少年に近寄り体をひっくり返してみるとすーすーと気持ちよさそうな寝息が聞こえてきた
どうやら力尽きて倒れただけのようである しかも足場は砂なので頭を打ったような形跡はない しかし…

「このまま放置というわけにもいけませんわね…仕方ありませんわ目が覚めるまでここにいるしかありませんわね」

放り出された太刀と取れてしまった眼帯を拾ってくると媛神はその少年の隣に座った
そして少年がつけていた眼帯を見てみると裏に封印するための紋様が刻まれていたのだった

疾風刃雷

「ん、んー」

媛神は大きく背伸びをしていた ようやく陸地についたのだ 周りに人気はない媛神と同じく船に乗っていた人達は船が着くそうそうに下船していた 船に乗っていたのはほとんどが商人だ
商人たちの行動は早い いち早く目的地へと旅立っていったのである

「さすがは商人ですわ そういえばおじさまも行動だけは早かったですわね」

そんなことを思いながら媛神は辺りをみていた 伊予の港と比べるとあまり大きくないなと思っていた
今は夜である 風の具合がおかしかったらしく到着が遅れ夜になってしまったのだ
まぁこんなものかなと港を眺め終わるとさっそく向かうべき場所 美濃へと向かわなければいけない
そう向かわなければいけないのだが どちらに行けばいいのかがわからない
しかもここが尾張のどの辺りなのかもわからない 道を聞こうにもあたりに人もいない
この場にとどまっていても仕方がないので媛神は海岸線に沿って歩き出した
幸い海岸線の近くに街道があるのでその街道を北に向かって歩いていく

「はぁ…わたくしとしたことが失敗でしたわね のんびりしすぎましたわ まったくここは何処なのかしら」

ため息まじりで媛神は街道を歩いていた 街道を歩いて行けばきっと城下町でも見えてくるだろうとそういった打算からだった
しばらく歩いていくとブンブンと何かを振り回す音がかすかに聞こえてきた なんだろ?と思い音のする方を探す
するとそれは海岸の方から聞こえてくるのがわかった その場所へと向かってみる
そこは何もない場所 砂浜が続くその場所から音は聞こえてくる 目をこらすと砂浜に立つ人物が見えてきた
近づくにつれ鋭い風切り音が大きくなっていく そしてその人物の容姿も見えてくる
どうもその人物は2つの太刀を持ちそれをふりまわしていた だがその太刀も体にあっているとはいいがたい
それもそのはず太刀を持つ人物は小柄なのだ 身長は媛神と同じくらいで 髪を後ろで束ね右目には眼帯がつけられている
2本の太刀に振り回されているようにも見えるがそれでも何とか上手く扱っている かなりあぶなっかしくはあるが

「自分にあった太刀を使えばよろしいのに あれでは太刀に振り回されてますわね」

それでもこの人物 いや少年といった方がいいか 少年は2つの太刀をふるうのを止めなかった
媛神はその少年の姿を眺めていた あまり上手くはない演舞といったところか一心不乱に太刀をふるう
その動きがぴたりと止まった 腰をおとし左手を前に突き出し右の太刀をその鍔にのせる その構えを取ったままの少年
あれは何の構えなんだろ?と媛神が思っているとありえない気が少年を中心に広がっていくのがわかった

「な、なんですのあの禍々しい気は… あれではまるで」

そう媛神がつぶやくと少年の気が爆発した 狂気といえる禍々しい気が少年から発せられていた
こんなものが人間といえるのか?この少年は一体何をしたのだ? そう思ったとき少年が叫んだ 

疾風刃雷

船が竜巻に襲われた翌日 晴れた青空の中媛神はまた船の先端に居座っていた
いい風が媛神の髪を凪いでいく 考えことをするのにはいい場所だ 考えごとというのは昨日の竜巻のことである
あれは龍の眷属しかも下級の…それがあれほどの竜巻をひきおこすとは考えにくい

「下級の物怪のくせにあんなに力があるだなんて 地脈の流れでも使って力を強くしたのかしら?」

本土には力をもつ者がいるとは聞いていたが まさか物怪の方も力が強いとは…これは一筋縄ではいかないかもしれない

「はっ!そんな場所にお姉さまが行ってるってことになりますのよね…これはますます早くお姉さまを見つけないと」

媛神は決意を新たにこぶしをギュッと握っていると後ろから声がかかる 振り返るとそこには昨日媛神の手伝いをしてくれた船員が立っていた

「よぉ、今日はいい天気だな ってまだお礼をいってなかったな昨日はどうもありがとな船を守ってくれて」

「そんなことありませんわ わたくしはわたくしの出来ることをしただけです」

「それから昨日のあれはなんだったんだ? 何かぴかっと光ったが…あれは何をしたんだ?」

「あれですか?あれは気になさらなくてよろしいですわ それに話したところでわからないと思いますし」

「そ、そうかもな… あんなもの初めて見たからびっくりしてなー」

それだけいうと媛神はまた海を見ていた じゃあ落ちるんじゃないぞ とそれだけいうと船員は仕事へと戻っていった
昨日媛神の使った術は雷系の術の応用 雷の力を使い一匁弾の玉を撃ち出す
これは媛神が昔 石を弾いて遊んでいるときに偶然見つけた方法 それを媛神は雷砲と呼んでいた
その時にもかなりの威力があったのだが…今の媛神は陰陽師の修行を終えている その威力は段違いに上がっていた
(あれはあまり使わない方がいいですわね…威力がありすぎる)
そう思い海を見ていると水平線の先に何かが見えてきた 陸地それが見えてきた
陸地を確認したのか後ろの方もガヤガヤと騒ぎはじめていた

「ようやく着きますのね まったく長かったですわ 早くお姉さまを見つけなくては」

船員に話を聞くとあと半日で着くということだ 媛神はそわそわしながら到着を待つことになった



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