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疾風刃雷

雨雲によってあたりは真っ暗になっていて視界が悪い しかし竜巻の存在感は隠しきれていない
右へ左へと動き回りまるで生物のようでもある その竜巻がおおきくなって行くのがわかる
竜巻がこちらへと近づいているのだと媛神は思った それよりも媛神は竜巻に何か気配を感じる
自然のものではない 何か違うものの気配 はっきりとはわからないがよくない気配がする
媛神は首の後ろがチリチリするのを感じていた こんな感じがするのは初めてのことだ

「やばいな どうしてあれから逃げられん!どうしてこっちに向かってくるんだ」

船頭達が叫んでいた 船頭達もどうしたらいいのかわからないでいた 進路を変え逃げるように船を操船してるのだが何時までたっても竜巻から逃げられないでいる

「それでも何とかしなきゃならん いいか!あれから全力で逃げるぞ!」

船頭達はあきらめてはいない 必死に船を竜巻から離そうとしていた
しかし船のスピードと竜巻とでは速度が違う 徐々にその差はつまってきていた
竜巻が近づくにつれ気配も近づいてくる 媛神は竜巻を睨んでいた この気配の元を探るために
その竜巻の中で何かが動いた 長細い何かが動いているのを媛神は捕らえた
(やっぱり何かいるわね)
媛神は船室を飛び出し船の端へと走った そして近くにある綱をつかむと竜巻を睨む
じっと竜巻を見つめるとやはり何がが動いていた長細い何かが あれは一体なんだろうと身を乗り出したとき後ろから引っ張られた

「こんな所でなにしてんだ 中に入ってろと言ったのに」

それは船員だった 媛神に中に入っていろと言っていた人がそこにいた

「わたくしは大丈夫 それよりあれをどうにかしませんとこの船 堕ちますわよ?」

そういって媛神は竜巻を指差すが船員はとりあってはくれない それどころかさらに媛神を引っ張り船室へと連れて行こうとした

「いいから中に入ってろ まったく命知らずにもほどがあるぞ」

「聞きなさい あれは普通の竜巻とはちがうんですのよ あれを止めないとこの船も危ないの それすらもわからないんですの?」

「にしてもおじょうちゃんがなにか出来るわけないだろ さぁ、いいから中に」

「出来るか出来ないかは見てからおっしゃっりなさい 今からわたくしが止めて見せますから手伝いなさい!」

いきなり怒鳴られ船員は驚いていた この娘が何をするつもりか知らないがそれを止めることは出来なさそうだ
この娘の目がそう語っていた しぶしぶと船員は媛神のいうことに従った

「わかった しかし危ないと思ったらすぐに船室に連れ戻すからな わかったな?」

「えぇわかりましたわそれで結構です ではわたくしを少し支えていただけます?体が固定してないと狙いが定まりませんの」

わかったと船員がいうのを聞くと媛神は竜巻へと振り向いた そしてその媛神の両肩を船員がしっかりと掴む

「しっかりと支えておいてくださいね では、今からあれを止めますわ」

そういうと媛神はすっと右手を竜巻へと向けた その手には小さな玉が握られていた それは一匁弾の玉である それを親指の上にのせると

「貴方にもちょっと痛い思いをさせるかもしれませんが よしなに」

へ?と間の抜けた返事をした船員が媛神を見ると媛神の髪がパチンパチンと音をならし光っているのに気が付いた
媛神は竜巻の中にいると思われる長細いものが見えた瞬間 一匁弾がのっている親指を弾いた
ドォンという音と閃光がはしった 光の矢といえるものが竜巻へと向かっていく
そして光の矢が竜巻を貫いた瞬間 ゴォオオオオオオオオオオオオオオという風の音とも獣の叫びともいえる音が聞こえたかと思うと竜巻が徐々に小さくなり消滅してしまった
媛神を支えていた船員が呆然とその光景を見ていた その船員の手を媛神はぽんぽんと叩く

「少し痛いですわ… そろそろ放していただけません?もう終わりましたから」

あ、あぁ 船員は媛神の両肩を掴んでいた手を放した その両手がなぜかビリビリと痺れている

「では後はお願いしますわね わたくしは船室に戻りますので」

それだけいうと媛神は船室へと戻っていった 船員はまだ降り続ける雨の中呆然と立ちすくんでいた
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疾風刃雷

こうして今、媛神は尾張へ向かう船に乗り込んでいる
あいかわらず媛神は船の先端で向かう先をみていた のんびりと見ていると頬にぴちょんと雨粒が当たった

「ん?雨が」

そう思って空を見てみると少し雲行きがおかしい それに遠くで何か気配がするそう思っていると後ろが騒がしくなっている
何事かと思い振り向いて見ると船頭達が忙しなく動いている どうしたのかと思っていたら船員の一人がこちらに歩いてきた

「そこのおじょうさん 嵐が来そうな雰囲気だからそこは危ない 船室の方へ行ってもらってはくれまいか」

「わかりましたわ 嵐ではしかたありませんわね でも本土に着くのが遅れるということはありませんの?」

「やーそれはわからんな この辺の嵐は激しい時があるから まぁその辺は俺らにまかせてとりあえずおじょうさんは船室へ入ってくれ 俺達だって海での戦いは専門だ だから大船に乗ったつもりでいてくれ っていってもこの船はそんなにでかくないがな はっはっは」

豪快に笑っている船員を見てまぁ専門家にまかせればいいだろうと思い船室に向かっていった
ほどなくして雨風はひどくなっていく その雨風に打たれる船体が悲鳴をあげているようにも聞こえていた

「ほんとに大丈夫なのかしら」

風は弱まるどころかさらに激しさを増してく 船の傾きがよりいっそう激しさを増した このままいくと転覆するのではないか?そう思えるほどだ
媛神は変な気配が強くなっていることを感じそとに出てみることにした 船室から外に出ると風が強い しかも雨も降っているので前が見にくい
それでも何とか媛神は気配のする方を見据える と、そこにあったのは黒い棒状なものだった あれはなんだろ?何かいやな予感がする
媛神が外に出ていることに気が付いた船員の一人が叫ぶ

「おじょうさん外に出てくるんじゃない あの黒いのが見えるだろあれは竜巻だ!あんなものがこんなところに出るとは思わなかったが…とにかく出るんじゃない中に入るんだ!」

疾風刃雷

媛神を落ち着かせながら宗右衛門は説明を始めていた
槍の修行のため香曽我部家に行き住み込みで修行をしていたのだが その香曽我部家での修行も思ったより早く終わってしまい香曽我部近安自身の師匠である宝蔵院流の師範の元へと送り出したのである
サクラ自身も修行は続けたいとの希望もあり 宗右衛門は異をとなえることが出来なかった
泣く泣く宗右衛門はサクラを送り出したのである

「そんなわけでサクラは今ここにはおらんのだよ 一様近くの徳川家に私の知り合いがいてね その人に頼んで護衛はつけてもらえることになったのだが…」

「……そんなもの役に立つかわからないではありませんの!」

「いやいやそんなことはないはずだが きっと腕のたつ者を付けてくれてる はず……」

「はず…ってお姉さまに何かあったらいかがいたしますのおじさま!いいですわ わたくしが参ります!」

「参りますって媛神ちゃんも本土に行くきか?」

「そうです まったくお姉さまもお姉さまですわ わたくしになんの相談もなしにそんな遠くへ行かれるなんて…」

「まぁあの子が決めたことだし それに媛神ちゃんは修行してる最中だったしな だから教えなかったんだと思うよ」

「いいですわ 善は急げといいますしこれから向かいますわ ではおじさま失礼いたしますわね」

お、おい媛神ちゃんと宗右衛門は呼び止めたが媛神は神速の術を使っているらしく風のように走り去った
あきれたように媛神が走り去った方を宗右衛門は見つめていた

「あの子は美濃っていうのだけで行ってしまったが大丈夫なのだろうか……」

まぁわからなければ連絡の一つもよこすだろう そう思い宗右衛門は店内へと戻っていった

疾風刃雷

媛神はとある商店の前まで来ていた その商店とは媛神の大切な人の実家
その商店の中には見たことのない品物が数多くある しかも店内には日本人だけではなく異国人の姿もちらほらと見えていた
媛神は店の前でうろうろしていた どうやってびっくりさせようと考えていたからだ
そうやってうろうろしていると店の中から男性が出てきた

「ん?君は……」

店内から出てきたのは白髪まじりの男性 しかし白髪まじりではあるが老人というわけではない
均整の取れたその顔は20代といっても差し支えない顔立ちである

「お久しぶりですわおじさま 3年ぶりですわね」

店内から出てきた男性は御堂サクラの父親 御堂宗右衛門

「おぉーやっぱりそうだったか 元気だったかな?さ」

「おじさま!」

「うお!どうしたんだい大声だして!?」

「このたびわたくし字をもらいましたの ですからそちらでお呼びくださいませ」

「おぉそうか陰陽師になるために行ってたんだったな そうかそうか字をもらったのか で、どんな字をもらったのかな?」

「媛神といいますの 以後そちらで呼んでくださると助かりますわ」

「媛神か…よい名前をもらったみたいだ で、媛神ちゃんはこんなところで何をしてたんだい?中に入ればいいものを」

「お姉さまをびっくりさせようと思いまして お姉さまはいらっしゃいますの?」

店内をのぞいて見るがそこにサクラの姿はない 振り返り宗右衛門をみるとその顔が暗く落ち込んでいた
まさかサクラの身になにかおこったのか? そう思ったとき宗右衛門が口を開いた

「サクラはここにはおらんよ……しかも四国にもおらん」

「………な、なんですって!?それはどういうことですのおじさま お姉さまは土佐に行ってるだけなんじゃないんですの?」

「うむ少し前までは土佐におったんだがな 今は本土におるよ たしか美濃だったか…そこに行くと信書が来てたな」

「な……どうしてそんなことになってますのおじさま! おじさまってば!?」

媛神の前髪からバチンと火花が飛ぶ 宗右衛門はびっくりして媛神から飛び退いた

「お、落ち着いて さ…い、いや媛神ちゃん 説明するから落ち着きなさい」

疾風刃雷

社の中 二人の人物が向かい合っていた
一人はここの主 そしてもう一人は少女である

「お主がここへ来て3年…もはやお主に教えることは何もない」

ふぅとためいきをつき主は少女を見つめた この目の前にいる小さな少女の力は計り知れない
基本的に強い力を持っていたとはいえそのコントロールは難しい
特に大きな力を持つとそのコントロールは難しさを増す それをこの少女は3年で終わらせ更なる高みを目指せる可能性を見せていた

「普通ここでの修行はかるく10年はかかる しかしお主はそれを3年で終わらせてしまった」

少女はじっと主を見つめていた

「ここでの修行は本日をもって終了する しかしこれで陰陽道を究めたと思っていたら大間違いだ 本土には貴様より強い力を持った者がいると聞く おぬしは旅に出るのだ そして見聞を広めるが良い」

主は一息つくとさらに言葉を続けた

「それから一つお主に贈るものがある」

「贈るもの…ですか?」

「あぁ貴様に字を贈る 本日よりその名を名乗るが良い これがそうだ」

主が差し出したものは符 それには文字が書かれていた 大きく2文字の漢字
【媛 神】  そこにはそう書かれたあった

「ひめ……がみ?」

「そう媛神だ そしてこれより貴様の元の名は真名になる 真名は魂の名前 貴様が心から信頼にたると思える人物以外にけして知られてはならぬ」

少女……媛神は小さくうなずいた 

「では行くがよい媛神よ 貴様の旅が実り多きものであることを祈っている」

媛神は主にふかぶかと頭を下げ そして社を出た 外に出ると媛神はおおきく背伸びをした

「ようやく終わりましたわ まったく予定では2年で終わらせるつもりでしたのに……結構長くかかりましたわね」

媛神は一度振り返り社に向かって一礼をする そして今まで過ごしてきた山を降りていく
媛神には修行を終えると向かうべき場所があった そこは彼女の大好きな人のいる場所

「きっとそろそろ帰ってきてますわよね わたくしの知らない間に土佐に行くだなんて まったくお姉さまったら」



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