こうして今、媛神は尾張へ向かう船に乗り込んでいる
あいかわらず媛神は船の先端で向かう先をみていた のんびりと見ていると頬にぴちょんと雨粒が当たった
「ん?雨が」
そう思って空を見てみると少し雲行きがおかしい それに遠くで何か気配がするそう思っていると後ろが騒がしくなっている
何事かと思い振り向いて見ると船頭達が忙しなく動いている どうしたのかと思っていたら船員の一人がこちらに歩いてきた
「そこのおじょうさん 嵐が来そうな雰囲気だからそこは危ない 船室の方へ行ってもらってはくれまいか」
「わかりましたわ 嵐ではしかたありませんわね でも本土に着くのが遅れるということはありませんの?」
「やーそれはわからんな この辺の嵐は激しい時があるから まぁその辺は俺らにまかせてとりあえずおじょうさんは船室へ入ってくれ 俺達だって海での戦いは専門だ だから大船に乗ったつもりでいてくれ っていってもこの船はそんなにでかくないがな はっはっは」
豪快に笑っている船員を見てまぁ専門家にまかせればいいだろうと思い船室に向かっていった
ほどなくして雨風はひどくなっていく その雨風に打たれる船体が悲鳴をあげているようにも聞こえていた
「ほんとに大丈夫なのかしら」
風は弱まるどころかさらに激しさを増してく 船の傾きがよりいっそう激しさを増した このままいくと転覆するのではないか?そう思えるほどだ
媛神は変な気配が強くなっていることを感じそとに出てみることにした 船室から外に出ると風が強い しかも雨も降っているので前が見にくい
それでも何とか媛神は気配のする方を見据える と、そこにあったのは黒い棒状なものだった あれはなんだろ?何かいやな予感がする
媛神が外に出ていることに気が付いた船員の一人が叫ぶ
「おじょうさん外に出てくるんじゃない あの黒いのが見えるだろあれは竜巻だ!あんなものがこんなところに出るとは思わなかったが…とにかく出るんじゃない中に入るんだ!」
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