サクラと純菜は採取場所まで到着した。 そこは地図で[にーヘ]の位置で南には炭山があり 北には鉱山がある。 岡崎の城からも近い位置にその採取場所はあった
「純菜ちゃん ここってフクジュ草も取れるのネ」
「うん でもね~ もっといい物も取れるんですよ」
「もっといい物っテ?」
純菜はうふふーというだけでそのまま採取を続けていた サクラは何があるのか分からなかったが純菜が薦めるからには何かあるのだろうと思い探してみた
だが、取れるものといったら 山椒の実 研草 フクジュ草 スズラン そして千振が見つかるだけだった
(ここにホントにいい物が取れるのかナ?)
とりあえず必要な山椒の実を袋に詰めながら取っていくとある物に目が止まった それは桂皮であった
「じゅ、純菜ちゃん!ここって桂皮が取れるのネ」
「あ、見つけた? そうそうここで取れるのよ~」
桂皮とは薬師にとって丹を作るための重要な材料の一つである しかしまだサクラは丹は作れないなので貯めおきしておくしかないのだが
それでも桂皮はなかなか取れるものではない しかも取れる場所も決まっているので何処ででも取れるというものでもない その場所のひとつを純菜は教えてくれたのだ
「そうなんだ、これはいい場所を教えてもらったワ」
「でしょ~ んとね研草はいいとして 山椒の実とフクジュ草それから千振とスズランはもって帰ってね 千振とスズランは後でいるようになるから」
「おい!」
「うん、分かったでも桂皮が取れるとはネ~」
「おい! って言ってんだ!」
「ここからだと町も近いし結構便利なのよ いろいろ持って重くなってもここからなら近いから大変じゃないしね」
「おい!って言ってんだよ! 無視すんな!」
「あァ~!! うるさイ!!」
サクラは立ち上がりその声の方を見た そこには数人のむっさい男達がいた
男達はこの近辺を縄張りとしている追いはぎ達である 追いはぎはものすごい形相でサクラ達を睨みつけていた
「何? 何か用なの? また痛い思いしたいっテ訳?」
ふぅとサクラはため息をついた サクラ達はこの追いはぎ達を知っている
岡崎近くの木の下で採取をしていた時からサクラ達に何かと因縁をつけ襲って来ていたのだ
だがその度に返り討ちにしてきたのだ しかし今回は場所が違うここまで来ることはないと思っていたのだ
だが、どうやら追いはぎ達は必死にサクラ達を探したのであろう その額には汗をかいていた
「ふっ!今回はまけねぇぞ! 先生お願いします!」
追いはぎ達の後ろから一人の男が出てきた 現れた男は頭巾をかぶりそして両手には小刀が握られている
その頭巾の男はあきらかに追いはぎ達と空気が違う
鋭い眼光 隙のない身のこなしどれをとっても追いはぎとは違っていた
(この人・・ かなり強いわネ)
この男は三河ー遠江の間にある抜け道を通る人達を襲っている人物である
その人物、刺客を追いはぎ達は雇って来たのだった
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