午前中の薬研での勉強が終り サクラ達は採取へと向おうと準備をしていた
すると薬研の前にある鍛冶場からおぉーいという声がしてきた サクラは声のする方を向いてみるとそこには見知った顔の人物がこちらに向かって歩いてきていた
「お二人さん 今から何処かへお出かけかい?」
声の主は真鉄だった 今では真鉄もサクラのことを見ても気さくに話しかけてくれている
「あら 真さんじゃなイ」
「ヽ(*^∇^)ノ」
「真さん… いつも楽しそうね」
「おぅ! で、二人して何処へ行くんだい?なんだか準備してるが」
「純菜ちゃんが新しい採取場所に連れて行ってくれるんでスよ」
「そうかい、気をつけて行きなよ なんつっても外は危険だからな」
真鉄を見ると具足鎧を身にまとい 手には火縄銃といった姿だった 真鉄のこの姿をサクラは初めて見たかもしれない
いつもは鍛冶場にいて炉の前で金槌を振っている そのイメージが強かったからだ
「真さんも何処かへ行くの?」
真鉄はちょっと困った顔をしていた 何かあったのだろうか?
「おぅ ちょっとな~ 棟梁に呼ばれて…まさかサボってたのがバレたのかと思ってたら昇進試験に行って来いって言われてな~」
「をを! すごいじゃないでスか って試験ってよくわかんないんだけどそのために何処かへ行かないと行けないのネ?」
「うむ、それでな今から浜名湖へ行くんだよ」
「一人で…行くんですか?」
「おぅ こんな試験なんざ一人で十分よ! まぁ心配性の弾ちゃんがついていくって言ってたけどな 断ったよ」
じゃあ、行ってくるわ といい真鉄は颯爽と歩いていった
「純菜ちゃん 真さん一人で大丈夫なのかナ?」
「大丈夫よ 真さん強いしね ほら、あの鉄砲見たでしょ? あれすごいんだから」
なら大丈夫かとサクラは思ったがなぜか不安が残っていた
だがその不安も形となるのは少し後のことになる
PR