「お、あったあった ここから向こう岸へ渡るぞ」
そういい弾十郎は浅瀬へと入っていった サクラも後を追い浅瀬へと入る 入った場所は足首までの水位しかなく簡単に渡れるのだが 洞穴の流れる水はかなり冷たい水だった
「ひゃ! 冷たい!!」
サクラは急いで浅瀬を抜ける その水の冷たさにブルブルと体が震えた 気がつくと弾十郎達は先へと進んでいる サクラは追いかけようと歩き始めたとき足がすべり下へと落ちてしまった
「きゃ!痛ァ~い…」
そこは段差になっておりサクラはその段差の一つ下に落ちてしまったのだ 落ちたときにお尻を打ってしまったのだ
「なんなのここハ…」
そういいながら打ったお尻をさすりながら立ち上がると身体に蜘蛛の糸のようなものが絡まっていた
「もう! なんなのヨ!!どうしてこんなに蜘蛛の糸ガ…」
蜘蛛の糸を払いのけていると背後に何かの気配を感じた 振り返るとそこには大きな蜘蛛の巣があった そしてそこに何か絡まっている・・・ 真鉄だ
蜘蛛の巣に捕らえられているのは間違いなく真鉄だ ひざをつき両手を左右に広げ首は力なくだらんと下がっている
一見死んでいるようにも見える真鉄 早く真鉄が今どのような状態なのかを確認しないと そう思ったとき先に奥へと向かっていた弾十郎の声が聞こえた
「おぉ~い サクラちゃん大丈夫か?」
先に行っていた弾十郎達だったがサクラの姿が見えなかったため引きかえしてきのだ その弾十郎の声が上から聞こえた
サクラは真さんがここにいると弾十郎達に言い 真鉄が絡まっている蜘蛛の巣に近づこうとした
不意に真鉄とサクラの間に何かが落ちてくる ドスーンという音と共に落ちてきたそれは巨大な蜘蛛だった
「これは一体・・・」
この蜘蛛は淵野の大蜘蛛と呼ばれている蜘蛛である その蜘蛛の巣に真鉄は囚われていたのだ
そして大蜘蛛はサクラに襲いかかってきた
「危ない!!」
大蜘蛛の攻撃はいち早く段差を降りていた秀人によって防がれた そして何とかその攻撃を弾き返す 秀人の後に続き弾十郎、純菜も駆けつけてきた
「な、なんだこりゃ!こんなでかい蜘蛛初めて見るぞ こんな奴ここにいたのか?」
「弾どの!あの蜘蛛まだ来る気でござる サクラどの、純菜どのは我らの後ろへ」
「わかったわ それからあの大蜘蛛の後ろ ほら、あそこに真さんガ!」
「こんなものに捕まってたんじゃ帰ってこれんわな」
「来るでござるよ!」
淵野の大蜘蛛が動き始めた 改めて見る大蜘蛛その大きさは弾十郎よりもひと回り大きい
不気味に動く6本の足が嫌悪感を誘う 大蜘蛛は真鉄の前に立ちふさがるように蠢いていた
(この大蜘蛛を倒さないと真さんは助けられないわネ)
サクラは嫌悪感を抑えつつ大蜘蛛へ向けて十字槍を構えた
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