まお達3人が浜名湖へ向かった弾十郎を追いかけるために準備を整えていたころ サクラ達は三河から遠江へと入っていた
サクラ達はここまで走ってきたのだが その速さを落とすことなく走り続けている
弾十郎が先行して走っているのだが その弾十郎が走り続けているため休むこともできない
遠江に入ってからの弾十郎はさらに走る速度を上げた
「弾さん 速いィー」
先を急ぐ弾十郎に向ってサクラはそう言ったのだが だが弾十郎は聞こえていないようだ
しかたない、とサクラは思い弾十郎のあとを追う
「そういえば試験ってどんな内容なのか?」
純菜が弾十郎に尋ねたがやはり聞こえていないらしい 弾十郎にかわり純菜の質問は秀人が答える
「拙者も話をちょっと聞いただけでござるが 浜名湖には珍しい粘土が出るらしいのでそれを取って帰る と、いうのが試験の内容みたいでござるよ」
「粘土ですカ… 浜名湖でしか取れないって、貴重なものなのかナ?」
「ん~ それは拙者にはなんとも・・・」
「この丘を越えたら入り口がみえるぞ」
先行している弾十郎がそう言ってきた 前をみると弾j十郎のいうとおり丘が目の前に見える
その丘を越えると岩場がありそこにぽっかりとあいた浜名湖湖底洞穴の入り口があった
「ここが浜名湖底洞穴の入り口…」
サクラはその洞穴を前にして異様な空気が流れているのを感じていた できることならこの洞穴に入りたくない そんな考えが浮かんだのだが 頭をふりその考えを頭から追い出す
ここで引き返す訳にはいかない ここに真鉄がいるはずなのだ
「おし! じゃあ入ろう」
弾十郎がそういい洞穴へと入っていく あとを追いかけるようにサクラ達も洞穴の中へと入っていった
洞穴の中なので暗いのかと思っていたらそうでもなかった 淡い光が洞穴内に広がっていたからだ
そのおかげで洞穴内の景色をすぐに把握することができた
中へ入るとすぐに水路がありその水路に沿って奥へと向かう道が出来ている
サクラは外で感じた異様な空気がより深くそして濃くなっているのを感じ気分が悪くなっていった
「サクラちゃん大丈夫?なんだか顔色が悪くなってるけど」
サクラの様子に変化に純菜が気づき声をかけてきた 心配そうに純菜はこちらをみている
「うん…大丈夫よ この先に真さんがいるかもしれないんだもの」
ここまで来て迷惑はかけられない サクラは気分が悪くなりながらも3人について行った
洞穴内に入ってからの弾十郎はかなり慎重になっていた 一人ならば後先考えずこの場所でもつっぱしっていったことだろう
しかし弾十郎は一人ではない 弾十郎と同じく真鉄を心配して来てくれたサクラ達も一緒なのだ
ここで自分一人勝手な行動は出来ない サクラ達を守らなければ自分がここにいる意味がなくなる
水路沿いに歩いていくと3つの道にわかれている場所に出た
「これ、どっちへ行けばいいノ?」
「あ~ どっちだったかな~ここも随分と久しぶりだしな」
「え?弾さん ここに来たことってあるの?」
「うむ おれも試験でここに来たからな~でも結構前の話だからわすれてら」
「弾どの思い出すでござる どうやらこの中でここを知ってるのは弾どのだけみたいでござるよ」
「たぶん・・・ こっちだ!」
弾十郎は水路沿いの道を選び歩きはじめた
水路沿いを歩いていくと一部が浅瀬になっていて向こう岸へと渡れそうな場所があった
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