「真希さんはどうしてここに?」
「ん? あぁ なんだか岡崎に立ち寄った時に御頭に頼まれてな」
「そうだったんですか」
「いやだったんだよな~ めんどくさいし・・ ユダが来てるって聞いてなかったら来なかったな」
「え? 俺?」
「うむ どれだけ成長したか見てやろうと思ってな… しっかしなんだあのざまは!」
「いやあれは…身体が動かなくなって…それで」
「はぁ・・・まだまだ半人前だな どうして動かなくなったか分かってるのか?」
「いや…さっぱり…」
「金縛りだよ」
「まさか…いやだってそんな時間はなかっただろ? しかもそんな術に俺がかかるなんて…」
「現に動けなかっただろう? あれは金縛りだよ」
ユダがあの声の主に気づかれた時点でユダは金縛りにかかっていたのだ とすれば奴は高度な術の持ち主だといえる
だがそれも見抜けないほど自分の力に自惚れていたのであろうか?まさか金縛りにあっていたとは…
「でも助かったよ あのままなら死んでた」
「だろうな まぁ感謝なさいな あ、それとお礼は形のあるものでな しっかしここもか・・・」
「ここもって…他にもこんなことになっている場所があると?」
「私が遊びに行ってるとでも思ったのか! 各地で情報を集めてたんだよ そう、いろいろとな」
「たとえば?」
「ふむ たとえば越中だな あそこには巨大な塔が出現したらしい だがぼんやりと見えているらしく蜃気楼なんじゃないかって話だがな」
「まさか…他にもあるんですか?」
「あるな 甲斐にある昇仙峡 駿河にある富士地下洞穴もここと同じような噂になってるな あとは各地にある支城だな どうやら狂人の巣に成り下がっているらしい」
各地で異変がおこっているとは、ここだけかと思っていたユダは困惑している もしも各地で一斉に亡者どもが暴れだしたら…そう考えるととても気分のいい話ではない
「ところでユダ お前報告に帰らないでいいのか?」
「あ!そうだ、この事を御頭に報告しないと… で?真希さんはこれからどうするんです?」
「ん?私はまだやることがある… じゃあな」
そういうと真希はフッと消えてしまった 消えてしまった真希の立っていた場所を眺めながらユダは思った
それにしてもまだまだあの人の足元にもおよばないなとユダは思わずため息をもらした
かなりの忍務をこなしそれなりに実力をつけたと思っていただけに この失敗はかなり痛い
これからはもっと気を引き締めなければ そう思いながらユダは走り始めた
ユダは三河を目指し走る 噂は本当だったしかも各地で同じことがおこっている
(いたるところで化け物が出ているとは…)
ユダは神足の術を使い三河へと急いだ
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