弾十郎、秀人、銃、紅が一斉に死霊使いへと攻撃を始める まず初めに攻撃をしかけたのは弾十郎であった
「うぉおりゃああ!!」
弾十郎の力強い破砕撃が死霊使いに当たる その攻撃を合図に銃は死霊使いの右へ回り込むと4連撃を放った
「せぃ!!」
さらに秀人が左にまわり3連撃もを放つ 秀人の攻撃も死霊使いに当たる そして追い討ちをかけるように真鉄の火縄銃が火を噴くと死霊使いの首の一部を吹き飛ばす
ガクンと死霊使いの首が横に垂れるとその首と同じ方向に死霊使いが倒れる
「あとは奴だけだよ」
見ると水舐め婆がまた妙な動きをしていた 何かの術を仕掛けようとしているのだ
「そうはさせないでござる!」
秀人は走り出すと太刀をかえす せぃ!という声とともに太刀を振りぬくと水舐め婆をみねで撃ちぬく
すると水舐め婆の体が痺れたように止まる
その隙を銃は見逃さなかった刀を鞘へ納めそして一気に抜き放った 衝撃波が飛び水舐め婆の両足にあたる
まえのめりに倒れる水舐め婆 ダン!という音を残し弾十郎が飛び上がるそして小刀を水舐め婆の額へ向けて突きたてる
ビクンと大きく水舐め婆の体が跳ね動かなくなる
「なんとか片付いたな」
「弾さん まだ治療するから動かないでネ」
「おぅ すまねぇな」
サクラと純菜はみんなに治療をほどこす見る間に傷がふさがっていく
「相変わらず薬師の治療ってのはすげぇな」
「たいしたことないよ 護ってもらってる私達からすれば申し訳ないけど」
「弾ちゃんはかったい上に頑丈に出来てるからな ちょっとやそっとじゃどぉってことねぇよ」
「おいおい 俺は岩か?」
「前世は石だったのかもしれぬでござるよ」
「本郷さんまで……そりゃねぇよ~」
ガクッとうなだれる弾十郎を見てみんなドッと笑いだした 緊張感漂うこの浜名湖でこれだけの余裕があるのは信頼できる仲間が側にいるからだろう
ただ一人 このような場所に放りこまれていたらここまでの余裕はうまれなかったはずだ
サクラもクスクスと笑っている ここへ三河へ来て本当によかったとサクラは思った
今までこの金髪と藍い目のせいで人と接することを無意識に拒んでいた
しかし今、目の前にいる人達は私のこの姿をみても蔑みや哀れみの目でみることはない おなじ人間として接してくれている
ただそれだけでサクラは嬉しかった 偽りのない笑顔がサクラの心に染み込む
クスクスと笑っていたサクラの耳に人の声が聞こえてくる 今この場にいる誰かとも思ったのだが違っていた
サクラは耳を澄ませる 誰かの声が聞こえた これは詠唱?
「みんな聞こえなイ?」
「ん?湖に流れる水の音なら聞こえるが」
サクラはもう一度耳を澄ませるとやはり人の声が聞こえてくる そしてその声に聞き覚えがあった
PR