「ふぅ間に合った 大丈夫かい?」
声は上の方からしていた 声のする方を見てみるとそこはサクラが落ちてきた場所だったそこに人影がある
そこにいたのは那々獅銃だった 銃は2つの太刀を持ちこちらを見ている
その後ろから龍城まお 少し送れて紅刹那が顔を出した まお達は崖になっているところから降りサクラ達のところへ駆けよってきた
「みんな大丈夫?」
「まお、なんでこんなところに?」
「なんでって弾ちゃんを追いかけて来たのよ それにしても危なかったみたいね」
「あぁ助かった けど追いかけてきたって何かあったのか!?」
「何かあったのは弾ちゃん達でしょ まったく一人かと思ったら純菜ちゃんやサクラちゃん 本郷さんまで来てるし」
「あぁそれはいろいろあってな それより」
「えぇ 話は後…みたいね」
まおは御幣(紙垂の付いてる小さい棒)を手に取り左右に振りはじめ 祝詞を紡ぐ
「布留部由良と由良加之奉る事の由縁を以て平けく聞食せと畏み畏みも申す」
まおの体の周りから青い光が立ち昇るとその場にいた全員に変化がおこる
「なんだか力が湧いてくル これは一体?」
サクラは初めて体感するこの不思議な感覚 これはなんなのだろう?
まおがおこなったものそれはまおを中心に浄化そして気力を回復させるための場を作り出すための韻
やさしい笑顔をまおはサクラに向けると手をひらひらとふりながら弾十郎の方へと歩いていく
そして弾十郎達が戦っていた大蜘蛛をキッと睨む
「こういうのがいっぱい出てきてるみたいだから 忠告と引止めに来たんだけど…」
「なんだか変なものと戦ってたんだね」
銃も大蜘蛛を見ながら言い両手に持つ太刀を握りなおす だがその顔には笑みが浮かんでいた
「うむ!それよりあれの後ろを見ろあそこに真ちゃんがいるんだ この蜘蛛を倒さないと…」
「だね 弾さん達はまだやれる?」
「あたぼうよ!このまま引けるかってんだ!」
「まだまだやれるでござるよ」
「よし じゃあ行こうか 紅はサクラちゃんと純菜ちゃんの護衛頼むな」
紅は頷きサクラと純菜の前に立つ そして弾十郎、秀人、銃は大蜘蛛へを向って行く
真鉄を助けるために那々獅銃は剣を鞘へと収め抜刀術の構えを取る 銃の全神経は鞘に収められた剣へと注がれている
「せぃ!!」
鞘から解き放たれた剣先が光をまとい飛んでいったように見えた、だがそれは剣から放たれた衝撃波だった 技の名は剣風斬 純菜を助けた技である 衝撃波はかまいたちとなり大蜘蛛を襲い足を2本切り裂き突き抜けていった
剣風斬を合図に弾十郎と秀人が大蜘蛛への攻撃をはじめる
「うぉりゃあああああああああああぁ!」
弾十郎と秀人の攻撃が当たる そして銃がさらに追い撃ちをかける
大蜘蛛がキシャーという声をあげながら数歩引いた あきらかに攻撃が効いている
純菜による呪詛 禁呪の効果も手助けしてかなりの痛手を与えているようだった
「よし!このままいけるか!?」
「油断は禁物でござるよ 先ほどのように…」
「うむ、だが時間をかけるわけにはいかん 長引けば長引くほど真ちゃんが危なくなる」
「だね 今はまお姉も紅もいる サクラさんと純菜さんの所へなんて行かせない ここは押す時だよ」
「承知!!」
弾十郎が正面 銃は右 秀人は左へと回り込み3方から同時に大蜘蛛へとしかける それを見た大蜘蛛が正面の弾十郎へと襲いかかる 大蜘蛛はクパァと口を開けると弾十郎を噛み破る勢いで喰らい付いた
弾十郎の肩に大蜘蛛の牙が食い込む しかし弾十郎はこの程度のことでは止まらない 止まる訳にはいかない
「こ、こんなところで・・・ お前なんぞに負けてらんねぇんだよ!!」
弾十郎は自分の倍はある大蜘蛛を掴むと弾き飛ばした 大蜘蛛の牙が抜けた肩からは鮮血が飛び散る 弾き飛ばした大蜘蛛へと銃が四連撃を繰り出す 秀人も三連撃を大蜘蛛へと叩き込んだ
「とどめだあああああああああぁ!!」
弾十郎は小刀を大蜘蛛の真正面、頭の部分に突き刺した
大蜘蛛の動きが止まる そして崩れ落ちた 2~3度痙攣しやがてそれも止まる
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