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浜名湖底洞穴編

池添謙一は禮華の背後に守るように短刀をふるっていた
禮華は謙一が背中を守ってくれているため前方の亡者だけに集中できる謙一はまるで禮華の影のように動いている
それがさも当然のように背中を気にする必要のなくなった禮華は亡者の群れへ向かって突き進んでいた
あまりに突出していく禮華に声をかけようとしたその時 3体の亡者が謙一に襲いかかってきた
3方向からの同時攻撃、謙一は襲いかかる亡者を一瞥すると身をかがめた
そして3体の亡者が同時に太刀を振りかざす
その瞬間、謙一は動いたダン!と足を踏み鳴らし背後から来る亡者に謙一は斬りかかった 亡者の太刀を持つ手に向かって短刀をふるう
亡者の手を切り飛ばすと同時に斬りつけた亡者を蹴り右へ飛ぶ
空中で体をひねると右にいた亡者の頭を蹴り飛ばした
右にいた亡者を蹴り飛ばすと残っていた亡者に短刀を投げつけた投げた短刀は亡者の頭に突き刺さる
謙一は何事もなかったかのように亡者に刺さった短刀を引き抜いた
手に戻った短刀で亡者を牽制しながら禮華の背後まで来ると禮華に声をかける

「……禮華出すぎだ」

「え?けんちゃん何かいった?」

「…だから出すぎだ」

「忙しいのよ話なら後にして」

「……………出すぎだ!」

突然の謙一の大声に禮華の体はビクッと跳ね立ち止まってしまう一瞬の隙をつかれた禮華は目の前亡者が振り下ろす太刀に反応できなかったこれは避けれない
禮華は覚悟を決めその太刀を受けようとしていたしかしその太刀が禮華を傷つけることはなかった
禮華は襟首をつかまれ後ろへと引っ張られる禮華の立っていた場所には入れ替わるように謙一が立っていた

「けんちゃん!?」

亡者の太刀が振り下ろされる その太刀は謙一を捕らえていた
斬られた謙一は倒れることなくその場に立ちつくしている
禮華は斬られた謙一へと手を伸ばそうとしたその時、謙一の姿がまるで陽炎のようにゆらめき消えてしまった禮華の目の前には謙一を斬った亡者が立っている だが禮華の関心はその亡者にはなかった消えてしまった謙一はどこに行ったのか、謙一は無事なのか?
そう思った時 ザン!と何かを斬る音が聞こえたすると目の前に立っていた亡者の体が斜めにずり落ちてい
崩れ落ちた亡者の背後には何事もなかったかのように謙一が立っていた

「……禮華?…どうした禮華」

禮華はぼーっとした顔で謙一を見ていた 謙一は呆けている禮華に声をかけようとしたのだが亡者がそれを許さなかった
禮華に向けて別の亡者が太刀を振り下ろそうとしていた その亡者の前に謙一は立ちふさがり亡者の錆び付いた太刀を短刀で受け止める

「禮華どうした どこか怪我でもしたのか?」

亡者の太刀を受け止めながら禮華に話しかけていた 謙一の声を聞きハッとする禮華亡者の群れの真っ只中にいるのにぼーっとしてる暇にはいかない禮華は太刀をギュッと握りなおすと謙一が止めている亡者に太刀をふるった

「怪我なんてしてないわよ まったく心配してたのは私の方だっていうのに…」

「…?禮華何か言ったか?」

「なんでもないわよ!」

禮華はふぅーっと息を吐き自身の気を落ち着かせると亡者の群れに太刀を向ける

「さぁ行くわよけんちゃん ちゃんと出過ぎないようにするからね」

あぁと謙一は言い禮華の背後についた 二人は亡者の群れに臆することなく向き合いそして刀をふるっていった
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