あれは何だったのだろう?サクラはまだ混乱していた まさか熊からあんなモノが出てくるとは
魑魅魍魎の類は何処にでもいる が、サクラは運が良いのか悪いのか今まであまり会ったことはなかったのだ
サクラの故郷 伊予の国にもその手の類はいるのだがあれほど禍々しいモノに出会ったことはなかった
あんな化け物が熊から出て来るなんて…
「どうやら噂は本当だったのか…」
真鉄がひとり言のように言った 少し前から魑魅魍魎の類が出没しているという噂を聞いたらしいのだがその時は単なる噂だろうと思っていた が、どうやら真実らしい
「まぁ なんにしても大臣達もいるしな 大丈夫だろう」
両替宿からまっすぐ西に歩いていくと神社が見えてきた 真鉄は神社の階段を登り境内に入るとあたりを見渡した いつも掃除してるはずだが と、そういいきょろきょろと境内を見渡す
お、いたいたといいながら真鉄は境内の一点を見ている サクラもその視線の先を追っていくと境内を掃除している一人の巫女が見えた、その巫女に真鉄がおぉ~いと声をかける
声をかけられた巫女はこちらに気づいたらしく近づいてきた
「まお 大臣から頼まれて御神酒をもらって来いって言われたんだが あるか?」
「あら真ちゃんじゃない ん?御神酒…? 確かあったはずだけどまさか…酒代が無いからって飲むんじゃないでしょうね!?」
この巫女の名は 龍城まお 岡崎神社に籍を置く巫女である 長髪の髪が綺麗な落ち着いた雰囲気の女性であった
「な、飲まねぇよ!大臣に頼まれて取りに来たんだよ」
「あら大臣に?何かあったの?」
真鉄は事の成り行きを話した 銃が倒した熊から餓鬼が出てきて大臣が倒したが大臣いわく御神酒がいるとのこと
するとまおは私も行くと言い出し 少し待っててと言い残すと本殿に入っていった
ほどなくして本殿から準備を整えたまおが出てきた では参りましょうとまおに促され4人で両替宿へと向った
綺麗な人だなぁ~とサクラはまおを見ているとその視線に気が付いたのかまおと目が会った
「ところで この方は?」
「おぉ忘れてた 純菜ちゃんの知り合いでな、サクラちゃんだ その話はまた後で…今はとりあえず…」
「そうね 急ぎましょう」
御神酒を持ったまおと共に両替宿まで戻ってきた 両替宿の前はまだざわざわとざわめいている この熊の死体をどう扱っていいのか図りかねているからだ
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