見えなくなった秀人へとお辞儀をしサクラは道場へ向かって行った 途中多くの人とすれ違う ホントにここは大きな町ね そう思いながら茶店娘に教えてもらった道を歩いていく
するとゴリゴリという音がしてきた 音がする建物の中を覗いてみると何かを磨り潰している人影が数人いた
さらに歩くとカンカンと音がする そこでは金槌を持った人たちがいる
そしてさらに奥へ歩いていくとパタンパタンと音がしている それは機織りの音だった
そして道場らしき建物が見えてきた
「ここダわ ここに私の御師匠様の先生がいるのネ」
道場の前には門人や流派師範がいる そして中に入ってみた 中にはさまざまな師範がいた 懐剣 剣術 弓術 棒術 槍術 砲術 それぞれの先生がいるようである そしてその中央にこの道場の師範がいたので話をきいてみることにした
「あの、すみまセん ここに宝蔵院流の先生がいると聞いてやってきたのでスが どちらにいらっしゃいまスか?」
「何? 宝蔵院とな?それは一足違いだったな 先日他の道場へ行かれたようだ だからここにはもうおらんよ」
「はう…そうなんでスか…あの、どちらに向かわれたかご存知ないでスか?」
「ふむ…あのお方は気まぐれでの たしか…三河の弟子に会いにいってみるかとか言っておられたような・・」
「そうでスか 三河に・・ 有り難う御座いまシた」
三河か…たしか純菜さんの住んでいる所ね 行って見るしかないな
サクラは道場を出た 外は雨が降り出している
「今日はここで宿を取って明日三河に向かってみヨ むぅ気まぐれな方だなんテ・・・ 御師匠様、何も言ってくれなかったかラ・・」
両替宿までもどり宿を取った 明日は来た道を戻らないといけないのね でも三河か・・ 純菜さんもいるだろうし行けばなんとかなるかな?
そう思いつつこの日の夜を迎えたのである
PR