「薬師? それってどんなことをする人ナの?」
この世界において薬師とは、回復薬から毒薬までさまざまな薬を作り出し、医術の力で治療もする。 また祈祷や神通力といった呪詛による攻撃も覚える。
が、基本的には人を癒すことを目的としている ただ目指すものが変わればその得意分野での特化を目指すことになるのだがそれはまだ先の話
「へ~ 歩く治療所って感じカな?」
「ん~ まぁ そんなところかな? 私はまだ見習いだからたいしたことは出来ないけど・・・」
「ふむふむ でも純菜さんナら 偉いお医者さんになれそうネ」
「な、なれたらいいけどね… そういえばサクラちゃんは伊予なんて遠い国からわざわざこんな所にまで何をしに来たの?」
「あぁ んとネ 私の御師匠様 香曽我部先生が美濃で修行してたんでスって だからお前も行って修行してこいって言われタの」
「修行か~ で、なんの修行に来たの? むずかしいものでなければ私も力になるけど」
「槍術でス なんだかこれだけは上手くなっちゃっテ だから行って来いなんていわれたのネ」
「そっか 私も少しやってるけど あまり上手くないな~」
「あは お医者さんにはいらないカも」
「うふふそうかもね さってとそろそろ帰らないと」
「あ 引き止めてごめんなさいネ また会えるカな? いろいろとお話もしたいシ」
「うん 尾張で薬の材料とか探してるし また会えるよ」
「よかっタ ところで純菜さんはここ尾張に住んでルの?」
「ううん 私の仕官先は徳川家 隣の三河ね 三河に来ることがあったら岡崎まで会いに来て いつでも歓迎だから」
「いろいろ教えてくれテ有り難う じゃあ 私行くネ」
「あ 待って 途中まで同じ道だから そこまで一緒に行こ」
「あらそれは助かるカも~ じゃあ、お願いしようカな」
二人は並んで街道を歩いて行く のんびりと話を交わしながら
出合って少ししか時間はたってないが まるで姉妹のように仲良くなっていた
この付近の状勢 そして徳川のことそんなことを聞いているうちに 立て札が見えてきた
「じゃあ 私はこっちだから あとはこの反対に向かってる道を行けば美濃に行けるよ」
「ホントに有り難う 助かっタわ 三河に絶対遊びに行くからネ」
「うん 待ってるよ」
そうして二人は別れた 大きく手を振り純菜を見送った そして振り返り純菜が教えてくれた美濃への道を眺めた
「ん~ あと少しカな 頑張らないともう日も落ちてきタし・・・」
そして教えてもらった道を歩いていくと関所が見えてきた これを越えると美濃である
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