小さい丘がありそれを登りきると街道があった この街道を進んでいくと立て札があるのだろうそうおもいつつ辺りを見渡してみる
右には山があり 左には田畑がある そんな中トコトコと歩いていくと山裾で動く人影があった よく見てみると松の木の近くで座りこみ何かを探してるように見える
(何をしてるのかナ?)
気になったので近くまで行って見ることにした 近づくにつれその人影が女性であることに気づくその女性は熱心に松の木の下に生えている草を見ていた この女性はこの草をどうするつもりなのだろうサクラはますます気になってきた そしてその女性の背後まで来たのだがまったく気がつかれていない ものすごい集中力だとサクラは感心した
「あれ~? これは違うな~これかな… あ!これだわ!むむ違うなぁ・・ ブツブツ」
その娘は松の木の根元に生えている草をみながらブツブツ言っている。
(なんダろ? この草でも取ってるのかナ? 何に使うんダろ?まさか食べるわけでもなさそうだシ… よし!聞いてみヨう)
「あの~ すみまセん」
「わぁひゃ~!!!び、吃驚した・・・・ な、何? だ、誰ですか貴方は!?」
「あ・・・ ごめんなさいネ 驚かすつもりはなかったんだけド・・」
女性は驚いた表情でこちらを見ている その顔が驚きから警戒の顔へと変わった サクラはこういう顔によく出会う そうそれはサクラの容姿がそうさせてるのだ
それはサクラにも十分わかっていることなのだがやはり寂しい気持ちになる この容姿のおかげで得をしたそんな話は一度もない それどころかいつも警戒されたり逃げられたり 果ては石を投げつけられるそんな体験しかしていなかったからだ
「あ…貴方 異国の方?」
「ううん 違うけド・・ 仕方ないわネ この姿じゃ間違えられテも・・」
「へ~ じゃあ日本人なんだ でもどうして髪が金色なの? それに目も…」
「それは…母が異国生まれなのよネ それでこんな目や髪になってルの・・・」
「へ~ 母ってことはお父さんは日本人なのよね? そっか~でも綺麗な髪よねすごくいいと思うわよそれ」
サクラはドキッとした この髪が綺麗そんなことを言われたことがなかったからだ だがこの女性はこの髪が綺麗だと言ってくれた なんだかものすごく嬉しい
「ところで私に何か?」
「あ! そうそう何してたんでスか? こんな所デ?」
「あぁこれ? これはね薬に使う材料を探してたの こういう所に生えてるのよねいろいろと」
「薬? 薬草か何かでス?」
「まぁそんな所かな でもここにあるものは使える物がなさそう…」
「そっか~ あ まだ名前を言ってなかったですネ 私の名前は御堂サクラ 伊予の国から来タの」
「あらそれはまた遠い所から・・・ 私の名前は百合坂純菜 薬師見習いね」
この出会いによってサクラは薬師に興味を持つようになる
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