「つ~い~タ~! やっト到着~!」
ここは尾張にある港 そこへこの娘は着いたのである。
娘の名は 御堂サクラ 日本人の父と異国人の母の間に生まれた一人娘である。
「さってと美濃はどっちかナ・・ とりあえず船頭さんに聞いてみよっト」
ん~っ サクラは背伸びをしていた そして周りを見渡すが辺りには人影が少ない 港というからにはもう少し活気があってもよさそうなのだが
「それにしても寂れた港ネ 港なんだからもう少し活気があってもよさそうなんだけド・・」
港には船が止まるところがあるだけで あとは小屋が一つあるだけだった。 そこに船頭はいた
「すみまセ~ん 美濃ってどっちへいけばいいんでスか?」
船頭は何か変わったものでも見るような目で答えた
「美濃なら この道をまっすぐ行ったところに立て札があるから それに従ったら着けるだろう」
「ありがとうございまス 行って見ますネ」
「ちょっと待て異国の人よ お前さん美濃へ何をしに行くのだ?」
「む、あのネェ 私、こんな姿だけド 半分は日本人なのヨ? 見た目だけで判断しないで欲しいワ・・・」
「すまんなどう見ても・・・ まぁいい で、何をしに美濃へ行く」
「んっとですネ 私の御師匠様が昔美濃で修行してたんでス だからお前も行って来いって言われテ だから修行でス」
「ふむ 修行か… 何の修行かは知らないが気をつけて行くことだな・・」
「なんだか気になるいい方ですネ… 何かあるんですカ?」
「今、美濃の斉藤家とここ尾張の織田家は対立している 小競り合いがちょこちょこあるぐらいだ 巻き込まれないように精々気をつけることだな」
「ふぅ~ん そうなンだ こっちでもいくさでスか… どこに行ってもいくさばっかりですネ 分かりました気をつけますネ」
そう言うとぺこりと頭を下げ船頭に教えてもらった道を歩き始めた。
船頭はサクラの後ろ姿を見送りながら もう会うこともないだろう、ここは小娘一人で生きて行けるような場所じゃない 運があれば・・・ そう思いながら次の船を待つため桟橋へと向かっていった
ともあれ サクラは美濃へ向かって歩いていく 初めてみる土地を楽しみながら
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